沿って, Uav-jp 21/01/2023

11ac実効700Mbps超! しかもデュアルWAN対応!! 超マニアックな無線LANルーターASUS「RT-AC68U」

2013年の個人的なベストバイ

筆者の個人的な興味の対象が偏っていることを前提に聞いて欲しいが、今年登場した数々のデバイスの中で、もっとも欲しかったモノ、そして買ってもっとも満足感があったモノが、このASUS「RT-AC68U」だ。

ASUSの11ac(Draft)対応無線LANルーター「RT-AC68U」。非常に多機能で高性能な製品

「もしかすると、無線LANの速度を測ることにやたらと熱心で、光ファイバーを3本も敷設しているボクのために開発してくれたんじゃないか?」と思えるほどハイパフォーマンスかつ多機能な製品で、一般ウケを考えると、ちょっとやり過ぎではないかと心配になるほど。設定画面を見るだけでニヤリとさせられてしまうくらい、作り込まれている。

ここまでやりたいことを製品に落とし込めた開発担当者はさそかし満足だろうし、こんなにトンがった製品を市場に投入する判断をしたASUSの勇気にも素直に感心するところだ。

11ac実効700Mbps超! しかもデュアルWAN対応!! 超マニアックな無線LANルーターASUS「RT-AC68U」

さて、少々感情が先走りしてしまったので、話を整理し直そう。ASUSから登場した「RT-AC68U」は、Draft11acに対応した無線LANルーターだ。

最近の無線LANルーターは5GHz帯と2.4GHz帯の速度を足し算した合計を型番やキャッチコピーに使うことが多いが、本製品の最大速度は5GHz帯のIEEE802.11ac(draft)/a/nが最大1300Mbpsで、2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nが最大600Mbpsの合計「1900」という数値が使われている。

2.4GHz帯が600Mbps?と疑問に思う人も少なくないだろう。現状、2.4GHz帯のIEEE802.11n/b/gに準拠した製品の多くは、最大速度が450Mbpsとなっている。40MHz幅の150Mbps×3ストリームMIMOで450Mbpsだ。

本製品では、ここに11ac(Draft)でも採用されている、256QAMの変調方式を採用することで、40MHz幅の帯域や3ストリームMIMOといった部分は変更せずに最大速度を600Mbpsにまで引き上げている。

現状のDraft11ac対応製品が登場する前に、一部のメーカーから“11ac(Draft)技術”を採用した製品として600Mbps対応の無線LANルーターが発売された時期があったが、それと同じ技術、256QAMの変調方式を2.4GHz帯に実装したのがRT-AC68Uというわけだ。

正直なところ、日本の混雑している2.4GHz帯では、このパフォーマンスを十分に発揮できる環境はごく限られる上、600Mbpsに対応したクライアントもほとんどみかけない。

よって、他の多くの無線LAN機器ベンダーがそうであるように、“わざわざ2.4GHz帯を600Mbpsに対応させる必要はない”と考えるのが普通で、実用上それで問題はない。しかし、そこをあえて600Mbps対応にしてきたあたりに、ASUSのパフォーマンスにかける心意気を感じる。おそらく、市場的には評価されにくいと思われるので、少なくとも筆者くらいは、こういったスペックの追求にかける同社の姿勢を高く評価しておきたいところだ。