沿って, Uav-jp 26/04/2022

「かえでの種」がモチーフの空飛ぶロボット ひらひら落下し目的地まで飛行(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース

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ドローンから落下させて、2種類の飛行モード(青色と緑色)で目的地へ誘導する

「かえでの種」がモチーフの空飛ぶロボット ひらひら落下し目的地まで飛行(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース

 シンガポールのSingapore University of Technology and Design(SUTD)の研究チームが開発した「An Agile Samara-Inspired Single-Actuator Aerial Robot Capable of Autorotation and Diving」は、かえでの種子をモチーフにした落下を利用する飛行ロボットだ。1枚の羽根とコンパクトな電子機器からなるロボットは、ドローンから落下して2種類の飛行方法を駆使し目的地点への着地を目指す。【画像】地上100mのドローンからロボットを落下させる実験の様子 軍事目的や災害救助活動などの多くの分野では、大量の軽量センサーやペイロードを劣悪な環境下でも目的の場所にできるだけ早く展開することが不可欠だ。これまではドローンやパラシュートなどを活用してきたが、ドローンは高いコストや制御の難しさ、パラシュートはパッケージングが困難と、それぞれ課題が残っている。 これら課題に挑戦するため、かえでの種子の落下をヒントにした新しい落下飛行のロボットを提案する。かえでの種子は、急降下後に減速するまでのスピードが速いことが知られており、研究チームはこの特性が落下制御に有効に働くのではと着目した。 ロボットは、平らなバルサ材とフラップで設計の羽根1枚と、付け根部分の電子機器で構成する。電子機器には、マイクロコントローラーや3軸磁力計、昇圧器、マイクロレシーバー、GPS、リチウムポリマーバッテリー、サーボーモーターを搭載する。 ロボットはかえでの種子と同様に、自動回転を利用した落下を行う。その際、自動回転中の軌道制御のために、シングルフラップ機構を採用する。 このフラップ機構は、A-Mode(Autorotating Mode)とD-Mode(Diving Mode)の2種類の飛行を実現する。A-Modeは、回転しながらゆっくり落下する方法。横方向の動きを駆使して安定した飛行を行う。D-Modeは、垂直方向に急降下する落下方法。天候が不安定な時に役立つ飛行方法だ。 この2つのモード間の双方向の切り替えと方向制御は、アクチュエーター1つのみで羽根の角度を変えて制御する。A-Modeは羽根を水平方向に、D-Modeの時は羽根を垂直方向に変える。 実際に屋外で実験した切り替えでは、建物の上から落下させて検証した。結果、A-ModoからD-Modeへの切り替え、もしくは逆の切り替えに見事成功。動画だとその切り替えによって起きる速度変化をより実感できるだろう。 横移動の実験でも、羽根の角度を調整し任意の方角への移動に成功した。その際は、A-Modeで、その際は4.46Hzで回転し、平均滑空角28.9度、約1.04m/sで落下した。 実際に、地上100mで飛行するドローンから3体のプロトタイプを落下させる実験も行った。落下すぐにA-Mode、地上50mでD-Modo、地上18mで再びA-Modoになるようにプログラムし、衝突を避けるために、それぞれ違う方角へ飛行するよう設定した。結果、モードの切り替えには成功したが、風の影響か想定した以上に横へ流され想定飛行経路を逸脱した。横移動の正確な制御は、今後の課題としている。Source and Image Credits: S. K. H. Win, L. S. T. Win, D. Sufiyan, G. S. Soh and S. Foong, "An Agile Samara-Inspired Single-Actuator Aerial Robot Capable of Autorotation and Diving," in IEEE Transactions on Robotics, doi: 10.1109/TRO.2021.3091275 ※テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

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