沿って, Uav-jp 22/05/2022

ドローン活用事例:空撮、点検に配送から農業まで、27本の動画でまるわかり

出典(Source):DJI Matrice 200

もくじ

  • 2.1 災害時にドローン空撮は活躍
  • 3 点検でのドローン活用事例
  • 3.1 首都高速道路株式会社の事例
  • 4 配送でのドローン活用事例
  • 5 測量でのドローン活用事例
  • 6 農業でのドローン活用事例
  • 6.2 ドローンによる農薬散布
  • 7 ドローン・レースの事例
  • 7.2 砂漠の有人ドローンレース
  • 8 パッセンジャー・ドローンの事例
  • 8.2 パッセンジャー・ドローンの先駆者イーハン
  • 8.3 米Uberも参入
  • 9 まだまだある!注目のドローン活用事例
  • 9.2 ドローンによる救助・捜索の事例
  • 9.3 ドローンによるインフラ復旧の事例
  • 9.4 ドローンによるライトショーの事例
  • 9.5 ドローンによるファッションショーの事例
  • 9.6 ドローンの「お笑い」への活用事例
  • 9.7 ドローンによる火星探査の事例
  • 10 ドローン活用事例記事の編集後記
  • 動画で見るドローン活用の事例

    「ドローン前提社会を創る」を標榜ファンドが日本国内に立ち上がり、内閣府も「ソサエティ5.0」構想でフィーチャーするなど、利用拡大に向けた取り組みが進むドローン

    ドローン活用事例:空撮、点検に配送から農業まで、27本の動画でまるわかり

    ともすれば軍事用やホビー用としてのイメージが強かったドローンですが、実際にはビジネスや産業の分野での活用も急速に進みつつあります。この記事では、そんな民生用ドローンの活用事例を動画と記事でご紹介していきます。

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    空撮でのドローン活用事例

    ドローンのもっともメジャーな活用方法は「空撮」です。施設のPRやイベントの記念、建物の完成記念、テレビ番組、CMなど、様々な用途のためにドローン撮影が行なわれています。これまで、ヘリコプターでブレの少ない滑らかな映像を撮影しようとすると、機材だけで数千万単位の投資が必要になる場合もあり、空撮は限られた人たちしか行なえませんでしたが、ドローンの普及により20万円程度の機材でも美しい映像が撮影できるようになったことから、一気に普及が進んでいます。なお、空撮を利用した「点検」については、以下に別途記載がありますので、そちらをご覧ください。

    ハワイのキラウエア火山が2018年5月上旬に火山活動を活発化させ、大量の溶岩を流出させたことは記憶に新しいですが、この際に注目を集めたのが米国の政府系研究機関であるUSGS(アメリカ地質調査所/United States Geological Survey)がYouTubeで公開したドローン空撮映像です。無人のドローンであれば、人間が近づくのが危険な場所へ飛行させ高解像度の映像が撮影できることから、噴火口など調査にドローンを利用しているそうです。

    このように、ドローン空撮にはコマーシャル用などの撮影のみならず、調査研究や災害対応としての分野でも活用の可能性が広がっています。

    点検でのドローン活用事例

    日本のインフラは「高度経済成長以降に集中的に整備されたインフラの高齢化が進行する」「生産年齢人口が減少しインフラの維持管理者と点検技術者も減る」という「二重苦」の時代を迎えつつあります。例えば道路橋は、平成45年(2033年)には67%が建設後50年以上経過した状態となり、日本全国で約40万の橋が高齢化した状態を迎えるようになります。また、首都高速においては総延長約319kmのうち173kmが20年後(2037年)に「50歳以上」になるそうです。

    このように社会インフラの「高齢化」が進んだ時点においては、現在より保守点検や補修の頻度が増えることが間違いない一方で、それを担う生産年齢人口は著しく減少しているという困難になっていることが高い確率で見込まれています。このような背景を踏まえて煙突、屋根、橋梁、ソーラーパネル、側壁などの点検にドローンなどの新技術を投入する動きが進められています。

    首都高速道路株式会社はi-DREAMsとInfraDoctorというシステムを1億5,000万円以上の予算を賭けて開発し、クラウド上に資料や画像、3D点群データなどを保管しAIで分析しています。これにより、必要な資料を紙の時代より素早く集めたり、画像からAIを使って点検や修理が必要な場所を割り出す、3D点群データ上で点検や工事に必要な車両や建機が稼働するスペースがあるかを確認して現場での手戻りを無くす、といったことが可能になったそうです。なお、ドローンはこのシステムに入力する高速道路のひび割れ検査用画像や点群データの作成への活用を目指して、実験が行なわれているそうです。

    配送でのドローン活用事例

    先進国では倉庫間の物流網は高度に発達しており、スムーズに配送を行えます。しかし、倉庫から一般家庭やオフィスなどのへの配送には、わずかな距離ながら大きな手間がかかります。この「ラストワンマイル」と呼ばれる物流の末端での配送の効率化は現在大きな課題になっており、日本でも宅急便の値上げがお行われたり、中国で最もEC購入が増える「独身の日」で物流網がパンクしたりというニュースは記憶に新しいはずです。

    ドローン配送はこうした「ラストワンマイル」の効率化に期待がされている一方、現実的には都市部の上空へドローンを飛ばすことは難しく、現状は僻地での輸送や将来の規制緩和に向けた実証実験が行なわれているのがドローン物流の現状です。

    DHL(デーハーエル)やエアバスなど超大手企業も参入をしているドローン物流。大都市での大規模導入事例はありませんが、僻地での輸送手段としてはすでに実用化されており、実証実験レベルではシンガポールの都市部でも飛行が行なわれています。

    首都なのに人口密度が低いからなのか、アイスランドのレイキャビクではドローンの出前サービスが既に実用化されています。

    日本では楽天とゼンリンなどが鉄塔の上を飛行してお弁当を届ける実証実験を成功させています。人口減少などにより山間部の集落などではコンビニに買い物に行くことすら難しくなるケースが増えてくる中、ドローンで生活物資を届けられたら便利そうです。空中での輸送には道路インフラが必要なく、直線距離で移動できることがメリットなので、山がちな日本の地方では活躍の可能性がありそうですね。

    測量でのドローン活用事例

    ドローンで空から地面の様子をデータ化することで、そのデータを専用ソフト加工し、図面や3Dモデルの作成に利用できます。このような方法は地上で測量するよりも早く、セスナで航空測量をするより安あがりというメリットがあります。

    iConstructionの普及とともに工事現場でのドローン活用が急ピッチで進んでおり、2018年には建機大手のコマツ(小松製作所)がDJI製のドローン1,000代以上を導入すると発表するなどして話題を呼んでいます。

    ドローン測量で得られる代表的な成果物は3次元点群データです。点群データとは、言い換えるなら「ドローンで空中から取得したXYZ軸の情報」のことです。ドローンが気圧計などから取得する高度情報とGPSやGLONASSの人工衛星から取得する位置情報を光学カメラやレーザー測距装置で捉えたデータと組み合わせることで、位置情報をもつ「点の群れ」がデータとしてできあがります。このデータを専用ソフトで加工することで、地点Aから特定の地点Bまでの距離の計測や盛土の体積算出、3Dモデル作成、図面作成、出来形管理などが行えます。

    また、ドローンを使えばオルソ画像という空から撮影した複数枚の写真を組み合わせて、傾きや歪みを配して正確な位置と大きさに表示されるように補正した画像を入手することも可能です。なお、直接的な意味での「測量」とは異なるかもしれませんが、ドローンによる点群データの取得とあわせて撮影されることがあります。

    農業でのドローン活用事例

    人口減と労働力の減少を背景にスマート農業の実現に対する必要性が高まりつつあります。仕事の担い手として活躍できるとされる15〜64歳の生産年齢と呼ばれる区分の人口は2015年からわずか15年の間に1,000万人近く減少すると予測されているため、IoTやAI、ブロックチェーン、そしてドローンといった技術を農業にも活用し生産性を高めることが急務です。

    ドローン以前の精密農業は地上に設置したセンサーや定点カメラ、人工衛星で撮影した画像などを用いて行なわれていました。しかし、定点カメラは観測できる範囲が広くありません。また、人工衛星は欲しいタイミングで画像を取得できず、解像度が低いため中小規模の農地での利用には不向きでした。そこで、これらの欠点を解決するためドローンの活用が進められています。ドローンであれば地上にセンサーを設置するより広い範囲のデータが得られ、人工衛星より手軽に利用できるというメリットがあります。また、日本では米国などと比較して中小規模の農地が多いことから、ドローンによる精密農業に向いているという分析もあります。

    精密農業の例としては、マルチスペクトルカメラと呼ばれる機材を用いてNDVI(正規化植生指数)という農作物の健康状態を示す指標を求める、といった利用法が挙げられます。定期的にこのような観測をすることで、作物の生育ムラや収穫適期が知れるので、圃場管理が迅速に行なえます。また、赤外線カメラを搭載したドローンは土壌や作物の温度状態を観測するために利用できます。農作物の温度ストレス状態を把握することで適切な水やりをする灌漑(かんがい)計画や高温度障害等の発見、事前予測などに活用することで生育不良を防げます

    また、よりシンプルなドローンの利用方法として、これまでラジオコントロール飛行機やヘリで行なわれていた空中からの農薬散布をドローンで行なう取り組みも広く導入されています。農薬散布は時間と労力のかかる作業ですが、ドローンを使えば人がタンクを担いで人力で農薬をまく60倍の速さで散布が行えます。DJIの『AGRAS MG-1』を例とすると、その散布能力はメーカー公称で1ヘクタールあたり15分となっており、人力より遥かに効率的であることがわかります。

    ドローン・レースの事例

    エンターテイメント分野でもレースという形でドローンの活用進んでいます。日本でも、既に複数のレース団体が旗揚げされており、海外では「有人ドローン」レースの構想も発表されるなど、今後の発展が楽しみな分野です。

    日本ではJDRA(一般社団法人日本ドローンレース協会)、Drone Impact Challenge実行委員会、JDL(Japan Drone League)などの団体がドローンレースを主催したり、ルールを制定するなどして、競技の普及に努めています。

    4本のアームとその先に取り付けたれたローター(プロペラ)を持ち、ジャイロ制御によって飛行する機体で行なうレース『エアスピーダー・グランプリ』を開催すると、謎の組織Alauda Aeronautics Pty Ltdが発表しています。これまでの「ドローンレース」とのちがいは、人が乗り込んで操縦する点。FPV(1人称視点)のゴーグルを装着したオペレーターが小型のドローンを操るのではなく、実際にレーサーが機体に乗り込んで命がけの勝負を繰り広げる点が特徴です。

    パッセンジャー・ドローンの事例

    機体の自律制御ができ、無人で飛行するマルチコプターのことをドローンと呼ぶ場合が多いので「人が乗れる」となると「もはや、それはドローンじゃないのでは?」という気がしますが、それがさておき「パッセンジャー・ドローン」「ドローン・タクシー」と呼ばれるジャンルが次世代のドローン活用法として注目を集めています。

    Kitty Hawk FlyerとBlackFlyは、いずれもGoogleの創業者が支援するパッセンジャードローンです。どちらも、安定したデモ飛行を成功させており、その様子が動画で公開されています。市街地の上空を飛ぶとなると話は別ですが、映像のように「湖の上で遊覧飛行をする」という用途においては、すでに十分実用可能なレベルに達しているようです。

    中国のイーハン社はパッセンジャー・ドローンの先駆者で、実際に人を乗せた飛行を無数に中国で行っています。また、2018年の10月には、中東カタールでデモ飛行を行なう様子を収めた動画を公開するなど、一般向けコマーシャルフライトの実現に向けて着々と準備を進めている様子がうかがえます。

    米国の配車アプリ大手Uberもパッセンジャードローンへの参入を発表しており、コンセプト動画やモック機の展示を行なっています。

    まだまだある!注目のドローン活用事例

    北海道の室蘭市は普段は撮影することができないプレミアムスポット空撮スポットを利用可能にし、フォトコンテストを同時開催する『撮りフェス in 室蘭 2018』を開催することで、滞在型の観光誘致にドローンを活用しています。

    『撮りフェス in 室蘭』は、「世界がまだ知らない室蘭を撮りに行こう。」をモットーに室蘭の町にまるまる24時間滞在し、自由に散策しながらこの町が持つ被写体としての魅力を個性的に撮影する参加滞在型のフォトコンテストであるとのこと。2017年は約300名の写真愛好家が全国から参加し、750点の作品が集まった実績があるそうです。

    スペースに余裕があり人口集中地区に該当しないことも多い田舎に宿泊施設では、ドローン利用者向けの専用プランを用意しているケースなどもあります。

    世界初となる「ドローンによる海難救助」に成功した、という嬉しいニュースが報じられています。AFP(フランス通信社)のYouTubeチャンネルでは、ドローンカメラが捉えた救助の瞬間の映像が公開中されており、ドローンから救命具が投下されると、海中で膨らみ「浮き」になり、それに男性2人がつかまって高波をやりすごす様子を鮮明に見ることができます。

    この他にも、氷河での遭難者の捜索などにもドローンの活用が進んでいます。

    ハリケーン「マリア」の被災地プエルトリコで、米国通信大手のAT&T社がドローンでモバイル通信ネットワークの基地局を代用する試みを行なった、とロイターなどが報じています。

    一般的なモバイル通信ネットワークの基地局はアンテナや中継装置などをビルの屋上や鉄塔の上に設置しますが、この「ドローン基地局」は地上から有線で給電され長時間飛行できるドローンにアンテナなどの装置を積み込み、対空させることで素早く通信網を展開できます。なお、ここで使用されているドローンのベースとなっているのはPulse社の『Vapor 55』という機体のようです。

    また、日本国内においても「ドローン基地局」の実証実験が繰り返されており、災害時などに地上の基地局がダメージを受けても、ドローンで素早くモバイル・インターネット網を復旧させることが目指されています。

    韓国で開催されている『2018年平昌オリンピック』の開会式映像にインテル製ドローンが登場し、当時の世界最高記録となる1,200機以上のドローンによる群体飛行で光のショーを繰り広げました。その動画はYouTubeで公開され約9カ月で140万回以上視聴されるなど、大きな話題になっています。

    この後も、インテルはドローンによるライトショーを世界各地で行ない、同時飛行数の記録を塗り替え続けるなどして注目を集めています。

    ドローンで服を吊るしてランウェイ上を飛ばすファッションショーがサウジアラビアで開催されCNNなどが報じています。「不気味だ」というコメントが紹介されるなどショーとしての評価はイマイチのようですが、女性が人前に出ることが良しとされない故にドローンを使ってみた、というサウジアラビアならではの都合もあったようです。

    また、日本でもTGC KITAKYUSHU 2017 by TOKYO GIRLS COLLECTIONにおいて、ドローンをファッションイベントに活用する試みが行なわれていました。

    『ブリテンズ・ゴッド・タレント(Britain’s Got Talent)』は挑戦者が観客と審査員の前で「芸」や「ネタ」を披露し、高評価を獲得して優勝すれば、なんと賞金10万ポンドが獲得できるという「公開オーディション型リアリティー番組」です。そして、その番組に日本人のお笑い芸人ウエスPさんが登場し、トイ・ドローンを使ったスリリング(?)な芸を披露しています。

    NASA(アメリカ航空宇宙局)は自律飛行が可能なドローン(UAV)を火星探査のために開発中であると2018年5月12日に発表しています。

    ドローン活用事例記事の編集後記

    様々な分野への活用が進みつつあるドローン(UAV)。日常的に日本の空をドローンが飛び回るようになるには飛行安定性の改善や法律整備、規制緩和など、まだまだクリアしなければならないハードルはありますが、ドローンの存在が当たり前になって、その利用を前提とするような社会が訪れる日も遠くないはずです。

    撮影動画の編集に関する記事はこちら!

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