By, uav-jp 23/12/2022

Recording of the final episode of "Okazu no Cooking" Finally, Mr. Yoshiharu Doi is particular about "one soup and one dish", and once a week he stays up all night "forged me"

48年の歴史に幕を下ろす『おかずのクッキング』が最終回を収録(C)テレビ朝日

1974年4月に放送を開始し、初代・土井勝氏から2代目・土井善晴氏まで48年間続いてきたテレビ朝日系の長寿料理番組『おかずのクッキング』。3月26日の放送で、その歴史に幕をおろすが、このほど最終回の収録が行われ、善晴氏がメッセージを語った。収録後にはセレモニーが開催され、歴代アシスタントたちが駆けつけた。【写真】微笑ましく進行する『おかずのクッキング』同番組は“おふくろの味”という言葉を世に広めた料理研究家・勝氏がメインを務める『土井勝テレビお料理教室』として、1974年4月にスタート。当時は月~金曜の夕方5分間の放送で、勝氏の優しい関西弁と家庭料理のレシピが人気を集めた。善晴氏は、1988年4月に番組初出演(当時31歳)。1993年春、父・勝氏から司会を引継ぎ、“家庭料理は愛情”という父の精神を大切にしながら、現代の暮らしにあった日本の家庭料理を追求。2000年10月以降は毎週1回25分番組というスタイルになったが、軽妙な語り口と作りやすいレシピで長年、多くの人に親しまれてきた。2015年夏からは、日本の家庭料理のかたちを見直す、“一汁一菜”の提案を発信してきた。最終回で紹介するのは、せりの菜飯、筍のお吸いもの、だし巻き卵という、シンプルながらさわやかな“春の一汁一菜”。冒頭、善晴氏は「きょうが“最後の晩餐”ですからね、みなさん」とカメラに向かって語りかけ、「これ、言おうと思っていたんですよ(笑)」とニヤリ。軽やかにジョークを交えながら収録をスタートし、米のとぎ方、だしの取り方など家庭料理の基本ともいうべきところから丁寧にレクチャーした。だし巻き卵をふわっと焼き上げる手順についても、くわしく説明。卵をかえす要領を教える場面では「そう簡単にはできませんよ!」と難しさを強調しつつ「でも、時々やっていたらできるようになる。それが人間のすごいところなんですよ」と、料理する人をやさしく応援する言葉も添えた。番組の最後、アシスタントの堂真理子アナウンサーから花束を贈られた善晴氏は「最初はカメラに向かって微笑みかけることができなくて、アナウンサーの人はすごいなと思っていたんです。それが34年やってきて、最近ようやくできてきたかなと思います」と満面の笑みを浮かべ、「とにかく“一汁一菜”でみなさんが元気に幸せになって、自分たちらしい豊かさを作ってほしい。料理を作って食べるという基本に本当の幸せがあると思います」とメッセージを送った。収録後は番組48年の歴史をたたえるセレモニーが行われ、過去にアシスタントを務めた渡辺宜嗣、藤井暁、櫻井健介、久保田直子アナウンサーなど番組にゆかりのあるメンバーが集合し、思い出を語り合った。中でも最も盛り上がったエピソードは、渡辺が起こした“舞茸事件”。アシスタント就任時、料理経験ゼロだった渡辺は、土井氏から舞茸をほぐすよう頼まれ、粉々にちぎってしまったことが。土井氏は「キノコを潰す、なんて料理人には絶対できないことだったんです。でも、おかげであれから舞茸をみじん切りにした“舞茸そぼろ”など料理のバリエーションが広がりました。どんなこともきっかけにしてレシピを作ってきました」と懐かしそうに当時を振り返っていた。さらに、土井氏は「2ヶ月で60ほどのレシピを考えなければならず、1週間に1回は必ず徹夜という状況でなかなか大変でした」と父・勝氏から番組を受け継いだ頃の苦労を明かし、「何よりもそれが私を鍛えてくれたと思います。ですから、『おかずのクッキング』がなかったら、今の私はありません」と感謝を語り、スタジオからは大きな拍手がわき起こっていた。■土井善晴氏コメント『おかずのクッキング』は、父の代からはじまって48年続きました。振り返ってみれば48年前、私は高校生でした。その後、父が体調を崩して、私が番組を受け継ぎましたが、当時、私は修業を終えて2、3年しか経っておらず、血気盛んな若者でした。当時は月曜から金曜までの帯番組で、テキストに掲載する分も合わせて2ヶ月で60ほどのレシピを考えなければならず、毎号毎号、とにかく何か新しいことをやらなければという思いで苦しみました。1週間に1回は必ず徹夜という状況でなかなか大変だったのですが、何よりもそれが私を鍛えてくれたと思います。ですから、『おかずのクッキング』がなかったら、今の私はありません。そして、“一汁一菜”という提案は、『おかずのクッキング』をきっかけに生まれました。この考えはコロナ禍の今、多くの人のなぐさめとなり、料理をする意味、家庭の意味を改めて思い返すところまで広がりを見せています。番組は終わりますが、“一汁一菜から始めましょう”というテーマが伝わったのなら、何も言うことはありません。とにかく一汁一菜でみなさんが元気に幸せになってほしい。そして、料理をする人を大切にしてください。それが家族の中でいちばん大事なことだと思います。また、日々、手料理を作ることはフードロスにも持続可能な社会にもつながります。さらに、“手洗い”も日本の食文化のはじまり。料理はそういった面でも人間の健康、身を守ることにつながっています。日本の食文化を伝え、残していくために、私もまだまだ頑張っていきたいと思っています。

『おかずのクッキング』最終回収録 最後も土井善晴氏こだわりの“一汁一菜” 週に1度は徹夜の過去「鍛えてくれた」