「軍事マニアと言われても、 こういう話をしていかないと」石破氏が語る防衛力の重要性
中国が海に出てくるとなにが変わるのか
平将明氏(以下、平):それでは、ちょっと真面目な話題を。せっかく石破さんに来ていただいたので、私の問題意識の話をさせていただきたいと思うんですけど。これ、世界地図ね。
大澤咲希氏(以下、大澤):はい。
平:実は、中国が、去年、ウクライナから空母を買って、改修してたんですけど、いよいよ海に出てきましたね、と。中国というのは、もともと大陸国家で、あまり海に出て来ないんですね。海に出てきても、だいたい失敗するんですね。日本で言うと鎌倉時代、元寇というのを2回やって、あれも失敗しました。
ただ、今、日本のGDPと中国のGDPを比べると、ドルベースでは、中国のGDPは、日本足す、ドイツ足す、イギリスってくらい、大きな国になっているなかで、いよいよ海に出てきました。太平洋に出てきましたってことなんです。
意外と評論家の人は、中国が海に出てきてうまくいった試しがないので大丈夫だという人もいるし。まだまだ、空母1隻では、それほど軍事的なオペレーションができるわけじゃないので、すぐにどうこうということはないんですけど、これから、やっぱり軍事力を増強して、海軍の力を増強してくると、けっこう厄介だなと。
一方、日本は、海洋国家なので、海が自由じゃないと発展しないし、さらに石油なんかも中東から来るので、航行の自由が確保されていないと、日本はすぐ締め上げられちゃうということになるんですね。
それで、今日は地図を持って来たんですが、このオレンジ色の線が、いわゆるCレーンということで、ここが中東で、ここから油を乗っけて、ホルムズ海峡を通って、そして、シンガポールのところ、マラッカ海峡を通って、台湾、バシー海峡を通って来るんだけど、空母を作って、中国が海に出てきますと。
最近、いろいろ話題になっている南シナ海というのは、このへんですから。まさにCレーンのど真ん中ですね。
こういうときに頼りになるのが、アメリカですよね。日本とアメリカは、日米同盟ということで、小泉さんの選挙区の横須賀には第7艦隊というのがあって、第7艦隊はどこを守っているかというと、太平洋の日付変更線がここにあるんだけど、ここから西と、実は、インド洋のここまでが、第7艦隊が担当しているわけですが。
そんななかで、トランプ大統領が出てきました。トランプさんは、いろいろ、選挙キャンペーン中にも、基本的には、遠くでなにが起きようと、アメリカに損か得かで物事を考えますと言っているので、「じゃあ本当にアメリカが頼りになるんですかね?」っていう状態に、今ある。
そんななかで、この間、安倍総理が一緒にゴルフをしてきて、また共同の声明などを発表されましたが、まず、こういう、中国が海に出てきた動き、そのなかでの、アメリカがたまたまトランプ大統領が誕生した中で、かなり、日本は、いろんなことを真剣に考えて対応しなければいけないというような問題意識を持っているんですが。
国防と言えば、まさに第一人者は石破先生なので、このへんについてのコメントをちょっといただければと思います。