AirPods ProとPowerbeats Pro、耳かゆくならない?
ずっと家族が耳をポ~リポリ。
見ると耳の外も中も真っ赤です。ニュースを見ると、新型コロナウイルスは肌の炎症も起こるというではないですか。内心ハラハラでした。
ところがです。アレをやめたらピターーーーッと症状が止まったんです。そう、タイトルにもあるビーツ・エレクトロニクスのPowerbeats Pro。家族が「え?」と思って検索したら仲間がたくさんいて、サポートQ&Aフォーラムにはそっくりな症状を抱えるonemacさんの写真も上がっていました。同様の苦情はアップルのAirPods Proにも出ています。
買って10カ月くらいは何の問題もなかったので疑いもしなかったのに、あの苦悩の日々はいったい…。
最初の半年は夢心地
「どんなに激しく動いても外れません」がウリのPowerbeats Proは、第2世代AirPodsと同じH1チップ搭載のワイヤレスイヤホンとして2019年5月10日、250ドルで発売になりました。日本では同年7月、2万4800円にて発売。
毎日千本素振りなどする家族はさっそく予約してこれを購入。Powerbeats Proはフック付きだから外れにくく、ある程度外音も入るので、ワークアウト中に話しかけられても無視する心配がありません。前に持っていてジムで盗まれたカスタムIEMのUE 11 Proは耳の形に完全フィットだったので(あれを盗むやつがいるのだ…)、ライブのミュージシャンには手放せないアイテムだけど、ハードなワークアウトだけならこっちかなと。
事実、外れないワイヤレスイヤホンはこれぐらいで、かなり満足度は高かったといいます。使用頻度は週3回ジムで、という程度でした。
耳がパンパンに腫れてただれる
ところがコロナでジムも体育館も公民館も閉鎖になって、4月から家でZoomするようになってから急に耳がかゆくなり、中も外も真っ赤にただれてしまったんですね。ありとあらゆる市販薬を買って試したんですが、どれも効果はありません。それどころか耳に強烈な痛みが走る点耳薬とかもあって、下手にいじるのはやめたほうがいいと判断。しばらく放置したら腫れは少し治まりましたが、今度は皮がポロポロ剥がれる症状に悩まされました。
家族はアメリカで剣道を教えているので、胴着の紺に皮が落ちるとまるでフケ。というか原理的にフケそのものです。Zoomのクラスは夕方開始なので、そこまで見えないのがせめてもの救いでしたが。いつ生徒さんに会っても大丈夫なようにこまめに肩のホコリを払わなきゃね、と何度も注意を促す毎日でした。
なぜ気づいたのか
Powerbeats Proは両耳ともマイク内蔵ですが、声を拾うのは右か左の片側だけ。日本語のヘルプページには「左右どちらのイヤーバッドもマイクとして使えます」とあるので両耳で音を拾うようにも読めますが、原文には「either of your earbuds」とあって「左右いずれか」に自動で割り当てる仕様であることがわかります。
そうとは知らずに息子と1個ずつ分けて使ってたんですが、それだと片方の声しか生徒さんに届かないんですね。それでやっと気づいて、「常に右」や「常に左」に設定してしゃべりを交代するときにイヤーピースも交換したりしてたんですが、だんだん面倒臭くなって夏にガンマイクを購入。これでPowerbeats Proに触ることもなくなって(自宅なので聞くほうはiPadのスピーカー)、炎症も収まったというわけです。
ちなみに息子には発症しなかったので体質にもよるのかも。
AirPods Proでも類似の症状の報告が
同じような症状を訴える人はAirPods Proにもいて、Reddditに寄せられているのは購入後1年間で4回耳が感染したケース。購入後5カ月間はなんの問題もなかったのに、ある日突然、耳の中に痛みを感じ、医師に診てもらったら真菌症と診断されたそうですよ? 簡単な治療で治まったといいますが、年4回というのはさすがに堪えたようで、「4回目はひどかったので、もう3週間使ってない」と昨年11月に書いています。
耳を密閉すればどんな製品でも起こることなの?
ほかの人たちからは「どんなイヤーピースも気密性が高いと起こり得ることだ」「キレイに使わないからだよ」といったコメントがついていますけど、うちの場合、耳の型をとってカスタムメイドしたUE Proのほうが気密性ははるかに高いのに炎症は一切起こらなかったので、それはどうかなあ…。使用して半年くらいは無症状という共通項を考え併せても何らかの劣化?と思ってしまうのですけど…。
[その他の報告]
写真のonemacさんは完治まで待って、皮膚に何の異常もないことを医師に確認してもらってから、Powerbeats Proを4時間装着。再度診てもらったら「Powerbeats Pro装着による接触性皮膚炎」と診断されたので、写真と診断書を添えてAppleに相談中と報告しています。「汗を弾くナノ塗料に問題があるのではないか」というのがonemacさんの仮説ですが、さて? 公式サイトの説明を読んでもよくわかりませんでした。
ちなみに家族はアレルギー体質ではありません。COVID-19検査は毎回陰性。イヤーチップのない無印のAirPodsは子どもたちも問題なく使っているので、耳に関しては、大汗耐水のProより、無印のほうが無難かも、という話に我が家では勝手になってます。
手入れの問題?
編集部からは「編集部にはPowerbeats ProやAirPods Proのユーザーが多くいますが、こういった症状が出た人はいません。ぼくも両製品問題なくヘビーユースしていて、問題なく使えています。おそらくは多くの人は特に問題なく使えているのではないかと思います。 読んでいて気になったのは、すごく基本的なことなのですが、Appleが紹介している通りのお手入れをしているのだろうか、ということです」との確認が入りました。
袴をアイロンがけする清潔好きな家族に限ってその心配はないように感じましたが重要な点なのでいちおう「手入れが悪かったんじゃないの?」と聞いてみたら「UEと同じ手入れだった」そう。抜き打ちで写真も撮ってみましたよ。そんなにキレイでもないけど汚くもないような…。
こんなこと書くと「手入れの悪いおまえが悪いんだから自業自得じゃね?」と疑われるのが皮膚炎の厄介なところで、私も心のどこかで疑っているし、一番疑って自信失くしてるのは本人なんですよね。だって1年以上経ってから気づいて「もしや」と思っても保証外で相談も返品もできないし、関連性の確認のしようがないじゃないですかね。やることすべてが疑わしいですよ、まさに。
先週久々にミーティングで使ったら30分入れただけで耳が嫌な感じになったので少し怖いけど「使い方が悪いなら直して、使えるものならまた使いたい。こんな目に遭った製品、人には売れないしね」と希望をつないでいる様子でした。でももう耳には入れて欲しくないのが正直なところですけどね。アメリカの医療費は250ドルなんてレベルじゃ済まないので。
手は出尽くした感が…
2019年11月にApple Communityに立った「イヤーチップに関する質問」には1000人以上が「同じ質問があります」と投票し、コメントは100ページを超えて今も毎日増え続けています。内容は被害の報告と返品・交換・代用品・おすすめ他社製品の情報交換です。
公式が指定するとおり消毒してもダメで、消毒しすぎてコーティングがとれちゃった人もいます。
形状記憶の他社製イヤーチップに交換して解決した人もいますが、ダメな人もいます。
肌に触れる耳フックおよび本体にテープを貼ってもダメ。
YouTubeには「前後逆に装着すれば耳の後ろはかゆくならない」って言ってる人もいて吹きました。いやあ…それするぐらいならもう別の買いますって…。
返金されるの?
気になるのは返品&返金ポリシーですが、1年前にRedditに上がった耳フックの炎症の写真には「片耳外したら1か月で内側も外側も炎症が止まったのでAppleに相談した。Appleセーフティー担当氏の話では割とよく見る現象らしい。返金に応じてもらえた」というdocss26さんの事例報告があって、別の人からは「うちは、そんなのは聞いたことない、使うのやめてAirPods Pro買うように言われたぞ」との報告もあるのでマチマチみたい。
docss26さんは「電話して写真をいっぱい送ればセーフティー部門に回してもらえるよ」とアドバイスしてますが、Apple Communityの最新の投稿を読むと、セーフティー部門に回されてからも「炎症が起こった部位の面積はクレカ何枚分ですか?」みたいなヘンな質問の連続で相当にへこたれるそうな。 耳がただれた写真を送るだけでも軽蔑されたらと思うとドキドキなのに…! 日本はロットが違うかもだけど似た症状にお悩みの方がいたらApple Communityを自動翻訳で読んでみて。使うのやめてからも骨伝導とかイヤホンすべてに反応するようになってステージが大変って話もあるのでムリは禁物ですよ~。