沿って, Uav-jp 24/03/2023

AKの新イヤホン「AK ZERO1」発売日は11月12日に。バランスケーブルも

既報の通り、AK ZERO1はAstell&Kern初のオリジナルIEM(インイヤーモニター)で、同ブランドの新たなスタートであり、IEMのニュースタンダードとなることを目指して開発。今回、発売日が正式に決まり、ドライバーの仕様など製品詳細についても公開した。

最大の特徴は、3種類の異なるドライバーを搭載したトリプルハイブリッドドライバー構成。後述する「マイクロ・レクタンギュラー・プラナー・ダイナミックドライバー(PD:平面駆動ドライバー)」と、カスタム設計された高域用のデュアルバランスド・アーマチュア(BA)、“完全に自動化されたエラーフリーのプロセス”で製造した低域用の5.6mmダイナミックドライバーを搭載する(1PD+2BA+1DD/4ドライバー)。

これらをクロスオーバー・ネットワーク・マネジメントで調和させ、「極めて自然で正確なサウンド」を追求している。周波数特性は25〜30kHz。感度は96dB/mW、インピーダンスは16Ω、THD(全高調波歪率)は0.7%。

マイクロ・レクタンギュラー・プラナー・ドライバーは、ヘッドホンではスケールダウンが難しいとされる平面駆動(プラナー)ドライバーの設計を、IEMに応用するために特別に開発した高度なドライバー。

頑丈で軽く、四角い平面振動膜を採用して周波数損失を最小限に抑え、高分子膜と金属薄膜を組み合わせた複合振動板によって、BAドライバーのような“クリスタルのようなクリアさ”がありながら、平面上に整形されたコイルによって駆動することでダイナミック型のような臨場感を両立。「BAとダイナミック型を掛け合わせたサウンドキャラクター」を実現した。

プラナー型でありながらBA同様のメタルボディのケースに封入することで、従来型のプラナー型では困難だったという音響設計の自由度を持たせたとする。これにマルチネットワーク化を組み合わせることで、プラナー型のポテンシャルを引き出す設計を実現。振動板を駆動する強力な磁石の磁束漏れを低減し、振動板のポテンシャルも高めた。具体的には、磁束密度を高めて能率を向上させ、磁束を封じ込めることで他のドライバーへの悪影響を低減し、高音質化に寄与するという。

AKの新イヤホン「AK ZERO1」発売日は11月12日に。バランスケーブルも

マイクロ・レクタンギュラー・プラナーはBAと同様のアーキテクチャで設計可能で、熟成された開発手法であるマルチドライバー化、サウンドチューブの⾧さや太さ、音響抵抗の組み合わせを利用可能にすることで、多様な方法で音質の調整を可能にしたという。従来型では大型になってしまうことから困難だったが、小型化によって従来の開発手法が使えるようになり、サイズダウンによってマルチウェイ化の際も耳への配置を限りなく近づけられるようにした。

3つのドライバーのサウンドを1つにまとめるために、各ドライバーのパラメーターを把握した上でクロスオーバーネットワークの設計を行い、Astell&Kernの求める理想的な周波数特性を実現。各ドライバーを最適な位置に配置し、マイクロメートル単位で精密に管理する3Dプリント技術を用いて製造した音響チャンバーに収めた。

独自の高度なアルミニウム精製技術を用いた、CNC機械加工によるメタルハウジングを採用。内部と外部の振動を抑え、「焦点の合った正確なサウンド」を実現する。

AK ZERO1のサウンドを表す「新しい世界への境界線」というキーワードを象徴するデザインとして、ハウジングに太い斜線を引き、カット面の輝きでプレミアム感を強調。耳にぴったりとフィットするように、内耳道に沿って設計したユニークな形状のノズルを装備しており、3つのドライバーを調和させるのに十分なスペースも確保した。

製造にあたり、同社では「日本の経験豊富な技術者によるハンドメイドと優秀な設備を用い、厳しい工程を経て最高の品質を実現した」と説明している。

取り回しの良さを追求した、長さ120cmの4芯純銀メッキOFCケーブルが付属。高純度の銀メッキと銅、そしてアルミプラグを使用し、オーディオ信号をロスなく伝達するように設計した。さらに、高精度なMMCXコネクターを採用してケーブルとの接続品質も向上させている。入力はL字型の3.5mm 3極アンバランス。

そのほか、XS/S/M/L/XLの5サイズのシリコンイヤーピースと、1 種類(フリーサイズ)のウレタンフォームイヤーピース、キャリングケースなどを同梱する。

AK PEP11は、MMCXコネクタを備えた4.4mm 5極バランスケーブルで、AK ZERO1付属のケーブルと同じ4芯純銀メッキOFCを採用。「わずかな音の変化も見逃さない、要求の厳しいオーディオファンのニーズに応える」としている。数種類のイヤホンでテストを行い、さまざまなMMCX採用イヤホンとの優れたサウンドマッチングを実現したとのこと。バンナイズ製ケーブルポーチが付属する。