Apple Musicでロスレス/ハイレゾを堪能したい! 第3回 MacはOK、Androidは? | マイナビニュース マイナビニュース マイナビ
Macの「ミュージック」アプリでも、ロスレス/ハイレゾ音源にはロゴが表示される
Apple Musicのロスレス/ハイレゾ配信におけるベストレート(192kHz/24bit)をカバーしたいのであれば、USB DACを用意しよう。USB DACは大きさや価格に大きな幅があり、持ち運びが前提のヘッドホンリスニング用のもあれば、据え置き型のスピーカーリスニング用もあり、好みと予算で選ぶことになる。
筆者が今回チョイスしたのは、Shanlingの「UA2」。54x18x9mmというUSBメモリほどのコンパクトな本体には、3.5mmシングルエンドと2.5mmバランスのヘッドホン端子が用意され、PCMは最大768kHz/32bitとApple Musicには余裕で対応できる。製品に同梱されているケーブルはType-C to CとType-C to Aの2種類で、購入者特典としてOTG対応Lightningケーブルは(数量限定・なくなり次第終了)も付いてくるから、MacだけでなくiPhoneでもUSB DACとして活用できることがポイントだ。
なお、どのUSB DACを利用するにしても、「Audio MIDI設定」の出力フォーマットでスペック上限を選ぶこと。Apple Musicのベストレートは192kHz/24bitだが、他のアプリや配信サービスでより高いレートを再生する可能性があるなら、スペック上限を選択しておくべきだからだ。
Androidのロスレス/ハイレゾ対応状況は
Google Playで配布されている「Apple Music」をインストールすれば、Android端末でもApple Musicのストリーミングサービスを利用できるが、iPhoneやMacと比べ導入のハードルは高い。
まず、2021年7月時点でロスレス/ハイレゾ再生対応はベータ版に限定される。ベータプログラムに申し込めば利用できるというわけでもなく、Google PlayのApple Musicランディングページには、「このアプリのベータ版プログラムは定員に達しています」と表示されており、Apple側の対応を待つしかない状況だ。
iPhoneとは異なり、いまなお3.5mmジャックを搭載する端末が少なくないAndroidでは、ここにヘッドホンを挿し込めばハイレゾ再生が楽しめるのでは...と結論づけてしまいそうになるが、原則USB DACを必要とするのはiPhoneと同じだ。
Android 8/OreoからサポートされたオーディオAPI「AAudio」を利用する音楽再生アプリは、ベンダーがカスタマイズしたOSを搭載していなくても、端末に装備されているヘッドホン端子でハイレゾ出力できるのだが、先行するAmazon Music(HD)にせよONKYO HF Playerにせよ、AAudioには対応していない。最新ベータ版を入手できていないため断言できないが、内蔵ヘッドホン端子ではロスレス再生止まりという可能性が高い。
まとめ 〜Apple Musicでロスレス/ハイレゾを聴くなら〜
簡潔にいうと、現時点におけるApple Musicのロスレス/ハイレゾ配信はiPhone/iPadとMac向けだ。本稿では検証していないが、Apple TV 4Kではロスレスはサポートされるもののハイレゾ(48kHz以上)はサポートされず、Home Pod/Home Pod miniに至ってはロスレス再生すらサポートされていない(AppleのWEBサイトには「今後のソフトウェア・アップデートで対応する予定」と書かれているが)。Apple製品ですら、すべてがサポートされているわけではないのだ。
いわんやサードパーティ製品をや...ということになるが、Androidはベータ版という目に見える形でサポートを半ば実現され、楽観視してよさそうな状況。iTunesでApple Musicを聴けるWindowsについても、USB DACはOSレベルでの対応なのだから、早晩サポートされると期待してよさそうだ。
ともあれ、Apple Musicでロスレス/ハイレゾ配信がサポートされたことは、ユーザエクスペリエンスの向上という観点では大きな前進といえる。ドライブ時にBGMとして聴くときなど、ロッシーでもそれなりに満足できてしまうシチュエーションがあることは確かだが、楽器や人の声が本来持つ微妙なニュアンスをもっと真に迫り再現できることを知る人間にとって、ロッシーでは満足できなかったのは事実。ロッシーとロスレス/ハイレゾに価格差を設けなかったという決断を含め、ようやく"やる気"になったAppleの今後に期待したい。