【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】これがiPhone 8 Plusの実力か! 生まれ変わった動画と写真、そしてコーデック-AV Watch
例年秋には、iPhoneの新モデルが出るということで、スマートフォン市場が盛り上がる。ただ2009年発売のiPhone 3GS登場以降、“数字iPhone“の翌年は外観は同じでスペックアップした“sバージョン”が登場というサイクルが続いてきた。途中5cやSEといった変わり種モデルも出た事があったが、基本的には新ボディになるのは2年に1回だったわけである。
今年の新モデルも、iPhone 7sではないかと言われていたわけだが、結構早い段階から今年は8だということがリークされ、実際その通りになった。ただしサイズやデザインはほとんど変わらず、事実上iPhone 7sなんじゃないかという声も聞かれるところだ。
8も8Plusも、外装上での変更点は、背面が金属からガラス素材になったところ。これはワイヤレス充電に対応するためだ。7/7Plusは背面から側面まで一体成形のアルミだったが、8/8Plusではアルミ筐体の前後をガラスで挟むような構造となっている。
外寸は同じだが、背面がガラス素材に同じ筐体を使い回すメリットは、金型がそのまま使えることだ。だが背面部材が変わったことで、構造も全く変わってしまった。つまり、金型は流用できないわけである。まあiPhoneぐらいのセールスがあれば、金型代ぐらいは大したことないのかもしれないが、それでも同じサイズとデザインとしたわけだから、意図的なものがあったという事だろう。
構造は変わったが、耐水性能はそのままである。背面がガラスとなったのは、2011年発売のiPhone 4GS以来という事になる。
カラーも7の5色から3色に減った。シルバー、ゴールドは存続で、ローズゴールド、艶消しブラックとジェットブラックが廃止となり、その代わりスペースグレイが追加された。MacBookよりもカラーバリエーションが減ったのは、意外である。
今回iPhone8はスペースグレイ、8Plusはシルバーをお借りしている。スペースグレイは、写真ではほぼ黒に見えるが、実際にはかなり濃いグレーだ。ディスプレイ面は真っ黒だが背面はやや明るいということで、ひっくり返した時のコントラストの面白さがある。
背面のグレーはかなり暗めだが、真っ黒ではない一方シルバーは、背面だけ見ればほとんど白だが、液晶面の白いエッジ部分に比べると、若干暗い白となっている。こちらもひっくり返した時のコントラストの妙を感じる。
シルバーの背面は、ほぼ白ディスプレイは得意のRetina HDだが、今回はより広色域なのに加え、4チャンネルの環境光センサーを使ってホワイトバランスを追従させるTrue Toneテクノロジーを搭載している。使用環境の照明に合わせて正しいホワイトバランスで見えるように、ディスプレイ側で追従するという技術だ。
見た目からはわからないが、センサー機能もアップしているカメラの変化は、主にセンサーである。iPhone 7/7 Plusでは動画撮影が4K/30pが最高だったのに対し、iPhone 8/8 Plusは4K/60pの撮影が可能になった。コンシューマ向けビデオカメラやデジタル一眼でも、一部の製品でようやく4K/60p撮影の製品が出てきているところだが、iPhoneの対応でカメラメーカーには大きなプレッシャーがかかることだろう。
ついに4K/60p記録に到達