沿って, Uav-jp 26/01/2023

1000人に1~2人は先天性難聴。ただ検査方法によっては見落としも…ママ達に知っておいて欲しいこと【専門家】

子どもの難聴を早期に発見して親子の支援につなげるため、厚生労働省は2021年12月、すべての新生児への聴覚検査を目標とする基本方針案を公表しました。新生児聴覚スクリーニング検査の有効性や問題点などについて、国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科診療部長の守本倫子先生に聞きました。【画像】わが子が先天性難聴に。人気料理家SHIORIさんが受けた悲しみと夫婦で誓ったこと

1000人に1~2人は先天性難聴。ただ検査方法によっては見落としも…ママ達に知っておいて欲しいこと【専門家】

検査方法によって難聴の見落としが多い問題がある

――赤ちゃんへの聴覚検査は実際、どのように行われるのですか?守本現在、新生児聴覚スクリーニング検査は自動耳音響放射(以下、自動OAE)と自動聴性脳幹反応(以下、自動ABR)の方法があり、出生後3日以内に初回検査を行います。自動OAEは赤ちゃんの耳にイヤホンのような器具をつけ、そこから出る音に対して、耳の中にある蝸牛(かぎゅう)が反応して放射される音を検出する方法です。自動ABRは赤ちゃんの額などに電極をつけ、両耳に使い捨てのイヤホンを装着して小さい音を聞かせ、脳からの電気的反応を電極から検出する方法です。全国的に自動OAEで検査をしている施設は少なくないですが、自動OAEは検査に見落としが多いという問題があります。――見落としが多いとはどういうことでしょうか。守本自動OAEは蝸牛の反応のテストなので、内耳機能は問題がないけれど、聴神経機能が異常な場合の難聴を見落としてしまうのです。聴覚検査で問題がないことを「パス」、再検査が必要なことを「リファー」といいますが、自動OAEで検査してパスとなり、難聴のない言語発達障害と診断されて思春期までずっと苦労していたところ、実は蝸牛は正常だけど聴覚の神経がないため聞こえないという特殊な難聴であったとわかったケースもあります。また、自動OAEは自動ABRよりリファーとなる率が高く、偽陽性が出やすいといわれています。偽陽性が出るということは、本当は正常なのに精密検査を受けて、と言われ、ママたちに無駄な心配をかけることになりかねません。産婦人科医会の調査では、2020年に新生児聴覚スクリーニング検査が可能な分娩施設は98.1%ありました。しかしすべての施設が自動ABRを導入しているわけではなく、自動OAEを使っている施設もたくさんあります。理由は、OAEのほうが検査が簡単で付属品が使い捨てではないので費用が軽くすむこともあるでしょう。しかし、リファー率や特殊な難聴の見落としの可能性を見ると新生児聴覚スクリーニング検査は自動ABRで行うほうがいいと考えています。このことを妊婦さんやママ・パパたちに広く知ってほしいと思います。

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