『Apex』シーズン11レビュー。新レジェンド“アッシュ”、ワールズエッジより15%大きい新マップなどの注目ポイント&開発インタビューをお届け!
エレクトロニック・アーツのバトルロイヤル型FPS『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)(Switch、PS4、Xbox One、PC)。2021年11月3日(日本時間)より、シーズン11“エスケープ”がついに開幕。
広告すでに公開されているローンチトレーラーでは、新レジェンドの“アッシュ”や新マップを確認でき、期待に胸躍る人が多いだろう。今回は、一足先に新シーズンを先行プレイできたので、開発チームへのインタビューを交えつつ、新シーズンの内容や気になったポイントをお届けする。
※本稿に記載の情報は先行プレイ時のものです。
ファミ通のゲーム系動画チャンネル“ファミ通TUBE”では、新シーズンの先行プレイの模様をまとめた動画を公開しているので、あわせてチェックすれば、新シーズンの詳細がより理解できるはずだ。
目次閉じる開く最大規模の新マップ“ストームポイント”
4つ目のマップとして新たに登場する“ストームポイント”。マップの規模としては、これまで最大だった“ワールズエッジ”よりも15%ほど広くなっており、北部から中央部にかけては山岳地帯と森林地帯、南部には浜辺が広がっているのが特徴だ。また、2地点の素早い移動を可能とする“グラビティキャノン”や、過去のイベントなどに登場したプラウラーとクモの巣が新たな仕掛けとして用意されている。
名前のあるメインスポットは全部で17箇所が用意されており、そのあいだには小規模なキャンプや陣地が存在する。スポットによっては数階層のタワーや複雑な通路からなるエリアもあるので、新マップが登場したら、各メインスポットに一通り降り立ち、ある程度マップを把握するとよいだろう。
グラビティキャノンは、上空を飛びながら特定のポイントを移動できる新たな移動手段。発射口に乗ることで向かい側へと飛ぶことができ、短時間での長距離移動を可能とする。空中にいるあいだは各キャラクターのアビリティや射撃などはできるが、使用時は音で敵に気づかれてしまったり、着地後は硬直があるため、待ち伏せする敵には注意が必要そうだ。
なお、“ストームポイント”では、ジャンプタワーが存在しないものの、オリンパスに登場する乗り物“トライデント”や、ケーブルカーのようなジップラインといった移動手段が確認できた。そのため、最大規模のマップでありながら、エリア収縮による移動はあまり困らないだろう。
もうひとつの新しい仕掛けとして、プラウラーとクモの巣が各地に点在している。プラウラーは巣に近づくと、クモは巣を破壊することでプレイヤーを襲い、これらを倒せば武器の弾薬やアタッチメントを獲得できるほか、アーマーのダメージやクラフトポイントも稼げるため、装備を充実させることができる。
しかし、銃声を聞かれて、別のパーティに狙われるというリスクもあるため、序盤のマップが大きい段階では積極的に倒しに行き、マップ収縮により狙われやすくなる中盤以降ではスルーするといったように、状況に応じて活用する必要がある。
また、マッチごとにランダムでフライヤーも出現。今まで通り、ダメージを与えることで物資の入ったサプライボックスを落とすだけでなく、アーマーの進化ダメージを獲得できるようになった。
――新マップには、クリーチャーがいて装備強化に利用できたり、カタパルト(グラビティキャノン)やトライデントなどもあり、とても多くの仕掛けが入っています。新マップのコンセプトを教えてください。
ロドニー・リース(以下、ロドニー)ほかのマップとのもっとも大きな違いは、キングスキャニオンにしてもワールズエッジにしても、そしてオリンパスの開発初期ぐらいまで、『Apex Legends』のリリース前に開発が行われたということです。キングスキャニオンとワールズエッジは同時でしたが、それぞれが実験であって、複数マップを持つゲームになるということすら、さだかではありませんでした。
それに対してストームポイントは、『Apex Legends』がローンチした後にイチから取り掛かった最初のマップになります。始めたのは自分とジェイソン・マコード(デザインディレクター)で、毎晩のように『Apex Legends』をプレイしながら、サードパーティ問題などの点でワールズエッジがどうキングスキャニオンと違うのかを比較していました。
ですので、新マップ(ストームポイント)に取り掛かろうということになったとき、いちばんの目標はサードパーティ(※)などをはじめとする予測していなかったものをいかに対処するか、解消できるかといったことでした。トライデントを入れている狙いとか、バルーン(ジャンプタワー)がないことなど、ストームポイントを設計するうえでくだした多くの決断が、そういった背景から来ています。
※サードパーティ:日本のスラングで言う“漁夫”のこと。ふたつのパーティーが消耗し合ったたところを狙って襲いに来る3パーティー目のことを指す。
――カタパルトの幅がトライデントよりちょっと狭くてトライデントを発射できないのはなぜなんでしょう?
ロドニーできるようにしていたこともあったんですが、やめた理由としては、トライデントとグラビティキャノンは「迫ってくるリングから逃げる」という同じ目的を与えられたものだということがあります。同じことを重ねたくなかったんです。
(開発版で)それをできた時期は……『マリオカート』みたいなことになっていましたね(笑)。それはそれでなかなかおもしろかったんですけど、マップを進んでいくペースの点で問題がありました。トライデントがさらに速くなって(徒歩などと比較して)ものすごい速いメカニズムが誕生してしまうし、ショートカットができてしまってサードパーティ問題に繋がるし……といった感じでナシになりました。クールでしたけどね。
――ストームポイントがローンチ後に取り掛かった初のマップということで、マップ構造への影響や開発の面でのやりかたの違いなどはありましたか?
ロドニー多少はありましたね。先程も触れたように、キングスキャニオンやワールズエッジはローンチ段階ではすでに開発していたもので、“運営に合わせてアップデートして変化させていく”という発想がなかったわけです。ふつうにマップを作っていました。
それに対してストームポイントでは「マップのアップデートがあるぞ」という認識ができていたので、ある意味で割り切った考えかたができるようになったということがありますね。完全になくすか置き換えるかという永続的なものではなく、いずれまたいじるという前提があるので、より自信を持って判断できるようになったという感じです。
――ストームポイントにはあちらこちらに高い壁があるため、ややヴァルキリーのアルティメットアビリティ(スカイハイダイブ)を使いにくいと感じました。この点についてはどうお考えですか?
ロドニーはい。ヴァルキリーを使うプレイヤーがよくやるテクニックにPole Vaulting(棒高跳び)というものがあって、上空に上がってから(大きな障害物の)反対側に飛び出てくるというものなんですけども、それをストームポイントではもう少しコントロールしたかったんです。
エリアによってはできます。たとえばビーチは開けているオープンなエリアなので可能です。それに対して、サードパーティ問題の対策の一環として、とくにより高いエリアでは少し制限したかったんです。
ヴァルキリーの飛行音が聞こえたら、自分が越えられないものを飛び越えてくるかもしれないという可能性はいったん捨てて、マップ知識をもとに相手が向かってくるだろうあたりに注意してもらえるようにしたい。細かいルートやテクを覚えたころに、レジェンドの能力がなくても行ける場所やルートに意識がきっちり行くようになるといいなと思います。それがああいう設計にしている理由です。
超攻撃的な新レジェンド“アッシュ”
『タイタンフォール2』で敵キャラクターとして登場した人気キャラクター“アッシュ”。本作ではアリーナの支配人を務めるだけでなく、過去のイベントでもたびたび姿を見せているが、ホライゾンやパスファインダーといったキャラクターとの繋がりがあり、シーズンを通してその関係性の詳細が少しずつ見えてくるとのことだ。能力としては、敵の探知と拘束、移動ができたりとスキルの幅が広く、かなり攻撃的なレジェンドで、使用感としては使いやすいという印象を受けた。
パッシブスキル“死の烙印”は、ふたつの要素があり、ひとつめは直近に発見したデスボックスの位置がマップ上に一定時間表示されるというもの。ふたつめが、別チームが倒したデスボックスに触れることで、アタッカー(倒したプレイヤー)の位置を見つけることができるという能力となっている。カジュアルマッチではキルを狙いにいくプレイ(キルムーブ)と相性がいいだろうし、ランクマッチや競技シーンでは敵の位置の把握に大いに役立つだろう。
戦術アビリティの“アークスネア”は、回転する罠を投げて直接当てるか、もしくは広がった罠の範囲に入ってきた敵にダメージを与え、罠の周辺の敵を一定時間拘束することができる。ホライゾンのアルティメット“ブラックホール”に似た性能で、拘束中は射撃や移動は可能だが、拘束から抜けようとすると引き戻されたり、動きが遅くなってしまう。また、地面やドアの付近に設置することで、足止めやトラップとしても使用することが可能だ。
アルティメットアビリティ“フェーズティア”は、一方通行のポータルを作り出し、ターゲットに向けて瞬時に移動できる汎用性のあるアビリティ。こちらは、レイスのアルティメットアビリティ“ディメンションリフト”と似ているが、その場から動かずに、目的の地点へと一瞬でポータルを繋げることができるという点が異なる。より安全に素早くポジションを確保できるほか、撃ち合いに有利な高所を取れるというのも利点だ。
しかし、発動時にアッシュはポータルへと入ってしまうため、味方の援護が来るのに少し時間がかかってしまうことや、直線でしかポータルを作り出すことしかできない点には注意したい。そのため移動先は慎重に決めないと、返り討ちにあうこともあるだろう。
――アッシュのパッシブスキルはアグレッシブに戦いを求めるプレイヤーには強力な能力となりそうですが、一方でマップ設計の際によく言われているのがサードパーティ問題(漁夫られシチュエーション)を減らすということです。しかし彼女のパッシブは漁夫るのに最適に見えます。このあたりのバランスはどう捉えているのでしょうか。
デビン・ワイス(以下、デビン)アッシュのパッシブを設計する際に、実際にサードパーティ問題は気にしていた部分でした。ですので、もともとはデスボックスが発生した場所のアイコン表示はつけていませんでした。でも内部テストをやっていくにつれて、実際はそこまで問題にならないだろうと考えたんです。
というのは、横から襲いに行くケースでは、そもそも戦っている音を聞いて駆けつけることのほうが多いだろうと。それで発砲が始まったのを聞いてから決着がつくまでにそこにたどり着くということはできますけど、アッシュのパッシブの場合は戦闘が起きているのを知るのは“すでに誰かが死んだ”時点ですよね。もう決着がついたか、もしくはつきかけている段階ですので、“戦いの最中を襲う”という点についてはけっこうな時間差を乗り越えないといけない。
ですので、アッシュのパッシブはその性質上、そこまでサードパーティ問題を引き起こさないんじゃないかと考えています。問題があるとなったときにいくつか調整する部分もすでに用意してあって、たとえばデスボックスが出現してからアイコン表示する前に猶予時間をもうけるといったことができます。
そのうえで、(マップ担当の)ロドニーたちの側でもサードパーティ問題を低減できるように考慮してマップのルートなどを設計しています。まとめると、その懸念点は私たちも気付いていて、実際そうはならないようやっているという感じです。
――つぎはアッシュのアルティメットアビリティについてですが、彼女はカタナでポータルを開けますね。あれは『タイタンフォール2』の彼女の機体であるローニン型タイタンへのオマージュでしょうか? そもそも、彼女はなぜサムライ的な要素に紐付けられているんですか?
デビンはい、カタナはもちろん彼女のローニン型タイタンにインスパイアされたものです。『タイタンフォール2』の彼女のタイタンは接近戦を好むタイプの機体としてフィーチャーされていたので、そのオマージュのような形で似たようなデバイスを入れたかったんです。
アシュリー・リード(以下、アシュリー)アッシュをどう再創造するかはアートチームからのアイデアが多かったですね。アニメーションチームもクールなモーションを考えてくれました。
それにあたってサムライとか浪人からのインスピレーションをたくさん得たんですけども、彼女はそれそのものというわけではないのであまりやりすぎないように注意しました。ただローニンの戦闘スタイルは気に入っていたしアッシュにも合っていると思ったので、クールなモチーフとして取り入れました。
それと一匹狼な雰囲気も入れたかったので反映しています。インスピレーションを受けたのはそういった部分ですね。
――アッシュはシーズン9でアリーナモードのコミッショナーのような形で登場しました。そして今回ついにレジェンドとして登場するわけですが、このシーズンは新マップもあっていままでよりも規模の大きいアップデートとなっています。シーズン9での登場はブリスクか開発によるこの瞬間のための仕込みだったんでしょうか?
アシュリーあぁ、それはおもしろい見立てですね(笑)。確かに、アッシュをどうやってゲームに本格的に入れていくかは最初にApex Legendsで触れることとなったシーズン5から考えてきたことでした。
そのあたりから彼女をレジェンドとして投入することを考えはじめていて……その後「この能力だ、これでいこう」となったのがいつだったかちょっといまははっきりしないんですが、だいたいそのころ(シーズン5のあたり)から「アッシュをめちゃくちゃクールなレジェンドにするにはどうすればいいだろう?」と話し合っていました。
そしてシーズン9のころには「オーケー、アッシュについてどんなストーリーをやれる?」というような段階になっていたんです。確かレジェンドとしてのアッシュをどうするかも固まっていて。でもそれとは別にアリーナが彼女に合うという事にも気が付いて「彼女にやらせたらパーフェクトじゃないか」ということになりまして。彼女は『タイタンフォール2』でアリーナを持っていましたからね。それで「どっちもでいいじゃない。多才ってことで」と。
デビンそうですね。私は去年の春にスタジオに加わったんですけども、確かシーズン5の開発がキックオフしてからそう経っていないころでした。アッシュが関わってくるクエストのストーリー要素などを詰めていましたね。以前に作られていたアッシュのプロトタイプをピックアップしたのもそのあたりでした。去年の5月だか6月ですね。
そこから弄って何ヵ月かして「よし、シーズン11で行けるぞ」というゴーサインを出したので、アッシュのお披露目をスムーズに行えるよう、ストーリーチームが彼女のための物語を準備する時間がたっぷりありました。
――もっと『タイタンフォール』ネタが来ると期待してもいいのでしょうか? ファンは「ブリスクもいつかレジェンドで来るに違いない」という感じですが。
スティーブン・フェレイラ(以下、スティーブン)はい、これからもっと『タイタンフォール』関係のものを『Apex Legends』で目にすることになるだろうと思います。同じDNAを持っている作品ですし、私たちはいつもチームが熱心なものを促進しようと考えていて、『タイタンフォール』はそういったもののひとつですから。ロドニーのシャツ(『タイタンフォール2』のシャツ)を見てくださいよ。もう何年も経ったのに着ている。(『Apex』に『タイタンフォール』ネタが来るのは)保証できます。
ワットソンがより使いやすく強化が
既存のレジェンドでは、シーズン11よりワットソンが強化。ヒットボックスは少し大きくなるが依然として小さく、戦術アビリティとアルティメットアビリティの性能に大幅修正が加えられている。
戦術アビリティの“周辺セキュリティ”は、クールタイムが半分になり設置範囲も2倍に。また、ノードの設置やフェンスが完成するまでのスロウ効果も削除されたため、設置までの速度が格段に早くなり、頻繁にフェンスを設置することができるようになった。
アルティメットアビリティの“インターセプターパイロン”は、ライフラインのヘルスドローンと同じく、時間制から一定の回復量に達するまで出現し続けるというものに変更。ひとつのパイロンのアーマーの回復量は250ダメージ(赤アーマー2個分)ほどで、回復速度も以前より2倍以上のスピードとなっており、こちらもかなり使いやすくなっている。ただ、2個設置することは不可能に。
新マップでは、複雑な建物が多数存在しているので、フロアを確保する際に強力な力を発揮しそうだ。
――今回ワットソンに強化が入りますが、以前は簡単ではないという話でした。なぜ今強化の準備が整ったのでしょうか?
ジョン・ラーソン(以下、ジョン)まぁ時間をかけたからですね。プレスブリーフィングでも少し触れたように、「背中にトロフィーシステムを持ち運べるようにしたらいいのでは」とかさまざまなアイデアを見聞きしました。
まぁ聞いた感じはクールなんですけども、全体の構成の中で問題となっている部分としてフェンスが多くの場合あまり有効でなかったということがあり、その改善案を磨くには(開発版で)時間をかけて実際にいろいろ実験してみる必要がありました。
ワットソンメインのスタッフばかりということはないですから、まずは慣れていってワットソンプレイヤーの考えていることを感じられるようにしてから、さまざまなチューニングで試していったわけです。それで、フェンスを通過するのはもっとリスキーなことにするべきかとか、どんなメリットがあるべきかとかを探っていく。
ただヒットボックス(当たり判定)が小さいのでデータ上はいい記録を残していたため、少し後回しになっていたこともあります。熱心なファンが押し上げていたのかもしれませんが。まとめると「なぜ今か」の答えは「いろいろ試して、今ちょうどいい感じになったから」です。
新武器C.A.R. SMG、武器やアタッチメントの変更点
新たに追加される“C.A.R. SMG”は、ライトアモとヘビーアモのどちらも使用可能で、弾薬の管理がしやすいのが特徴。マガジンも拡張ライトマガジン、拡張ヘビーマガジンのいずれかを装備することができる(1発のダメージと装弾数はライトとヘビーで共通)。ライトとヘビー武器の中間ということもあり、使用感としてはR‐99に近いが、1発のダメージは高い分、より精密なリコイル制御が必要になるといった具合だった。
既存武器の大きな変更点は、G7スカウトがケアパッケージ(ケアパケ)武器となり、トリプルテイクが通常武器に戻ってきたこと。G7はダブルタップトリガー(素早く2発の弾を発射するホップアップ)が付いているが、単発の切り替えも可能で、発射レートやダメージが強化されている。
トリプルテイクは、通常武器に変更となっており、視界が開けた場所での戦闘では、これまで通り強力な武器のひとつになりそうだ。
新アタッチメントとして“デュアルシェル”が追加。これはマスティフと30-30リピーターに装備可能なアタッチメントで、1回のリロードごとに2発ずつ装填できるというもの。単純計算でリロード速度が2倍になるので両武器を持つプレイヤーにとっては嬉しいアタッチメントだろう。
そのほかの変更点を特出すると、Lスターとロングボウのダメージに調整が加えられたほか、マスティフの新アタッチメント追加にあわせて、EVA8オート、ピースキーパーにもバランス調整が入っている。各武器の変更点は以下の通り。
――新たなSMGのC.A.R.はヘビーアモとライトアモを使えます。ハンドリングやダメージは同じような感じです。モードの違いにそこまで注意しなくてもいいのはわかりやすいですが、ヘビーアモはヘビーな攻撃のためのものであると考えるとやっぱり妙な感じもします。
ジョンその点は担当したデザイナーでも認識していた部分です。ただこの武器はヘビー武器とライト武器の特性を持っていると思います。大きなリコイルはヘビー武器に由来していて、オルタネーターやR-99よりは当てにくいけど、プラウラーほどではない。一方でヒップファイア(ADSせずに腰だめで撃つこと)はライト武器系の挙動ですよね。とくに取り回しの点では両者が合わさったようなものと捉えています。
――日本のTwitterで“カービン”が一時トレンド入りしていて、「R-301カービンがケアパッケージ入りする」といった噂が出ていたようなのですが、この点について何かありますか? それとG7スカウトがケアパケ入りすることになりましたが、なぜでしょうか?
ジョンそのR-301の噂がどこから来たのかわかりませんね。それは完全に噂でしかないです(笑)。
クレート(ケアパケ)入りさせる武器を考える時にはファンが好む武器の扱いに非常に気をつけています。そしてR-301は皆さんの大定番で、新しく始めた人も使いやすいApex武器のクラシックです。そういうものをケアパケ入りさせる前に相当注意深く検討する必要があるでしょうね。
G7スカウトについてですが、シーズンの流れで言うとトリプルテイクがケアパケ入りして何シーズンか経つので、それを出す時期が来た。となると似たような武器がそのポジションに入るのが自然で、G7スカウトはいい候補だったという感じです。
武器が増えていくなかで、どうやって通常の入手可能武器を希釈せずに武器をコントロールするかは気をつけている部分です。
――トリプルテイクが戻ってくるという話が出ましたが、もとはエナジーアモを使う武器で、シーズン4でスナイパーアモに変わり、シーズン9でケアパケ入りして、シーズン11では通常のエナジーアモの武器になりました。なぜスナイパーアモではないのでしょう?
ジョンいい質問ですね。トリプルテイクは確かにそういった変更を経てきました。今回エナジーアモの武器になったのはおもにマークスマン武器のカテゴリーができたことと関連していると思います。またこれはトリプルテイクにつけられるスコープをどうするかといったあたりとも関連しています。
私たちとしてはトリプルテイクの拡散する“ショットガンスナイパー”的な汎用性があまり好きではなくて、プレシジョンチョークがついていると正確だし遠くまで飛ぶ。なので(マークスマン武器の)2〜4倍スコープで制限をかけたかったということがあります。
またケアパケから出てくるにあたって、弾の経済を考えたときにスナイパーアモよりもエナジーアモのほうが入手しやすいということもありました。
――ピースキーパーの使い勝手にアップデートが入るそうですが、これは具体的には?
ジョンはい。ペレット(ショットガンの1発の散弾)のサイズを少しだけ大きくしました。(ボディに当たった際の)9ダメージばかりというようなケースが少しだけ改善するのを期待しています。
それとピースキーパーをケアパケから戻す際に注意深くやって、序盤などでチョークが怖すぎないようにしていました。しかし今度はちょっとチョークを早くして、ADS後にチョークを少し長く維持するようにしています。
ダメージを直接上げることも考えたんですけども、ピースキーパーは発砲レートが遅くてダメージが大きいという武器ですから、1発のダメージを上げると一気に最大値が上がります。プロプレイヤーが“2パンプメタ”(2発で終了な構成)と呼ぶようなことはちょっと避けたいので。
ランクマッチの変更点
――ランクマッチのRPキャップが上がることについてもう少し教えてください。150から175になる?
John Larsonそうですね、175です。キルポイントの算出方法は以前とはちょっと変わっています。以前はキル数と順位は別々に起こって別々に計算していましたけども、現在はもう少しフレキシブルでニュアンスのあるものになります。
たとえば序盤や中盤でうまくいってキルを稼げたプレイヤーが、ゲーム的に勝てなくても補うことができるようになっています。周縁部で戦ってキルを稼いだチームが5位とか7位で終わって、中央部で戦ったチームが1位とか2位を持ってくというのはよく見る形だと思いますけど、そういう構造の中での競争制に沿ったものになります。これによってランクへのアプローチにもっと幅を与えられると思います。
Devin Weise(デビン・ワイス)
『エーペックスレジェンズ』チームディレクター
Ashley Reed(アシュリー・リード)
『エーペックスレジェンズ』シニアライター
Rodney Reece(ロドニー・リース)
『エーペックスレジェンズ』レベルデザイナー
Steven Ferreira(スティーブン・フェレイラ)
『エーペックスレジェンズ』チームデザイン
John Larson(ジョン・ラーソン)
『エーペックスレジェンズ』バランスデザイナー