知らないと損する「ドローン撮影料金」の目安や見積もり依頼の基本
もくじ
ドローン撮影の料金を徹底解説!
一時期は「危険なモノ」や「趣味用」と誤解されることもあったドローン。しかし、近年は安全性や安定性が増し、産業用としても活躍しています。日本の人口、特に労働力人口が大幅に減少することが確実になっている今こそ、AIやIoT、ブロックチェーンなどと並び「ドローンを活かした業務改善」ができるかは、将来における事業の明暗を分ける重要なポイントです。
幸いなことに、ドローンは機体改善やビジネスに活用するための試行錯誤が積み重ねられてきたため、大企業のみならずとも日々の業務に活用できるようになりつつあります。少し前の流行語を借りるなら、「ドローン、いつやるの?」「今でしょう!」という状態です。
本稿では、そんなドローンの中心的な活用法である撮影(空撮)に利用する場合を想定して、アウトソーシング(外部委託)する際の料金や知っておくべきポイントなどをまとめました。
ドローン撮影が活用できるシチュエーション
産業、ビジネス、仕事にドローン撮影を活用する場合、現在は以下のような用途が想定できます。もちろん、新しい分野ですのでまったく新しい利用方法にトライすることも十分に可能ですが「いまメジャーなドローン撮影の用途」としては、以下のようなものが代表的です。
なお、上記のような光学(RGB)カメラを利用した撮影以外にも、サーマルカメラを搭載したドローンを利用した点検、精密農業、遭難救助やレーザー発振器などを搭載したドローンを利用した測量なども行われています。
ドローン撮影の料金、相場を決める要素は複数あるため一概に「これだけ」とは断言できませんが、いくつか代表的なものがあります。ドローン撮影を行なうパターンや、会社・業者が考慮する代表的なポイントをご紹介します。
ドローンで写真撮影をする場合の料金と内訳のサンプルをご紹介します。
2万円1フライトで撮影できる空撮写真のイメージです。こちらの金額感の場合、だいたいこのような写真2〜3枚が成果物となります。※金額はこの写真の正確な制作費用ではなく、料金の参考例です。金額はサンプルであり、実際の受注額ではありません。
ドローンで動画撮影をする場合の料金と内訳のサンプルをご紹介します。
「空撮60,000円+地上撮影40,000円+編集費50,000円、必要経費別」程度のイメージの映像です。※金額はこの映像の正確な制作費用ではなく、料金の参考例です。金額はサンプルであり、実際の受注額ではありません。
※価格は内容により大きく異なります
ドローン撮影の料金の内訳
ドローン撮影では、使用する機体によって料金がかわります。一般的な操縦士(パイロット/オペレーター)が使用できる機体はほとんどの場合「オプション料金無し」で手配できます。また、より専門的な産業用機体があり、こちらは使用に「オプション料金」や追加費用が必要になる場合があります。なお、追加費用の有無については、受託会社の状況によりかなり差があるので、問い合わせの際にしっかりと確認するべきポイントです。
ドローン撮影時に、飛行場所が人口集中地区にあたる場合や夜間に飛行する場合など、いくつかのケースでは事前に国土交通省への申請と許可・承認の取得や空港や警察との調整が必要になります。
参考:きっとあなたも間違えている。ドローン規制14の落とし穴|2018年版
操縦士(オペレーター/パイロット)が事前に許可・承認を受けていれば追加の費用が必要ない場合がほとんどですが、空港周辺や許可が必要な港湾の上空を飛ばす場合、許可申請費用(20,000〜50,000目安)が必要になることもあります。
天候不順などやむを得ない事情を除き、依頼者の都合による撮影の急なキャンセルには「キャンセル料」が発生するケースが大半です。キャンセル料は受託会社/業者によりまちまちですが、ひとつの目安は「撮影の4日前までは無し、3日前は総額の25パーセント、2日前は50パーセント、1日前は75パーセント、当日は100パーセント」といったパターンが考えられます。
ドローン撮影料金の見積もり
ドローン撮影を行なう場合、どのようなポイントに気をつけて見積もりを依頼すればよいか、基本的な情報をまとめました。受託会社/業者は「依頼主の目的がはっきりしない場合」は追加で作業が必要になる可能性を考慮して「高めの見積もり」を出す傾向があります。そのため、依頼主は「依頼したいのはここからここまで」という時間や成果物の明確な情報を伝えることで、より正確で安い見積もりが得られるようになります。
「いつ撮影するかは決めていないが、写真か動画で新しく建てたマンションをかっこよく撮影してほしい」
「来月の第2週平日に、○県x市△町○‐○にあるマンションを1フライトで撮影してほしい。必要な成果物は写真で、真俯瞰、右からの45°見下ろしの2カットのみ。撮影場所は人口集中地区ではない」
地理院地図(人口集中地区・空港等の周辺空域)発注側の連絡先などの基礎情報に加えて、案件の概要として撮影日時や場所は事前に確定させておく必要があります。また、天候などの影響により、飛行(撮影)ができない可能性がありますので、1週間程度の間をあけて撮影予備日を設定しておくことがおすすめです。
DID地区と呼ばれる人口集中地区と空港周辺は、飛行が制限されています。事前に必要な手続きをすれば飛行が可能な場合が多いですが、一段手間と難易度が上がるため、事前に発注者側でも確認をして状況を把握しておくことがおすすめです。
なお、人口集中地区と空港エリアに該当するかは、以下の地図から確認可能です。
» 地理院地図(人口集中地区・空港等の周辺空域)
また、その結果を踏まえて申請が必要な場合はオペレーター側で手続きをするのか、発注者側で手続きをするのかなどを明確にした上で依頼するようにしましょう。なお、無許可での飛行は明確な航空法違反となりますので絶対にやめましょう。
プロのオペレーターを相手にする場合でも「ぜんぶお任せ」で発注者のイメージ通りのアウトプットが得られる事はほぼありません。自分の中で必要なカットをできるかぎり正確にイメージを箇条書きやコンテ(下手な絵、殴り書きでもあったほうが良い)を用意すると、望む結果に近いデータが得られる可能性がグッと高まります。
また、納期を明確にすることはもとより、納品データの形式や納品方法についても事前に確定させておく方がスムーズです。
第三者が所有する私有地上空で撮影を行なう場合は、原則として事前に許諾を得る必要があります。国土交通省などへの申請とは異なり、地権者への許諾は発注者が行なうことが一般的なので、事前に相許諾を得ておくか、連絡先を確認しておくとスムーズです。なお、自身や自社が所有・管理している土地の上空のみを飛行させる場合は、この手続は不要です。
また、複雑な撮影をする場合はロケハン(撮影場所の事前確認)をしたり、周辺に電波障害を引き起こす可能性のある施設(高圧電線など)がある場合はテスト飛行を行なうほうが望ましいため、そのための時間がとれるかどうかも事前に確認しておくべき項目です。
編集後記
広告やウェブサイトの素材やイベントの記録としてだけではなく、点検やオルソ画像の作成、農業にも活用できるドローン。
正しく活用することで、大きな業務効率化が機体できますが、やみくもに発注してはコスト負担が増えてしまいます。そこで、適切な料金で発注できるドローン撮影を発注する際はまずは目的(ゴール)を明確にして依頼(見積もり)をするのがおすすめです。