最新iPhoneの選び方をおさらい iPhone 13シリーズの違いは?
2021年秋に登場した最新のiPhone 13シリーズ。左から順に、トリプルレンズカメラの「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」、ダブルレンズカメラを搭載する「iPhone 13」「iPhone 13 mini」
機種名 | 画面サイズ | パネル | Apple Storeでの価格 |
---|---|---|---|
iPhone 13 mini | 5.4インチ | 有機EL | 86,800円(128GB)~ |
iPhone 13 | 6.1インチ | 有機EL | 98,800円(128GB)~ |
iPhone 13 Pro | 6.1インチ | 有機EL | 122,800円(128GB)~ |
iPhone 13 Pro Max | 6.7インチ | 有機EL | 134,800円(128GB)~ |
動画や写真の撮影、最新ゲームを思い切り堪能したいなら、トリプルレンズカメラを搭載するiPhone 13 Proシリーズの2機種が断然おすすめです。iPhone 13やiPhone 13 miniではできない撮影が楽しめるうえ、ディスプレイが最大120Hz駆動のProMotionテクノロジーに対応しているので、動きの素速いFPSゲームなどで表示性能や反応に差が出ます。
iPhone 13 Proシリーズは6.1インチパネルのiPhone 13 Proと、6.7インチパネルのiPhone 13 Pro Maxがあります。この2機種はカメラの性能が互角なので、乱暴に言ってしまえば「ディスプレイの大きさ」(本体サイズ)で気に入った方を選べばよいでしょう。
筆者は、記事に使う写真をiPhoneのカメラで撮ることもあるので、明るさや色合いの加工が入念に行えるApple ProRAWモードの写真や、これまでにないマクロ写真が撮れるProシリーズを選びました。これは、iPhone 13/13 miniにはない機能です。Apple ProRAWモードの写真はデータサイズが大きくなるため、ストレージ容量は少し奮発して256GBにしました。購入してから半年使いましたが、すでに写真アプリが65GBのストレージを占有していたので、次にiPhoneを買い替える時には512GBの購入も視野に入れる必要があると感じました。
iPhone 13やiPhone 13 miniでも、暗い室内で人物や風景の写真・動画をきれいに撮れます。ただ、遠くにある被写体を大きく写したり、背景ボケを活かしたポートレート写真を楽しみたいなら、77mmの望遠カメラを搭載するiPhone 13 Proシリーズを推します。
「iPhone 13 Pro Max」の没入感は圧倒的だが弱点もあり
iPhone 13 Proシリーズは、2020年発売のiPhone 12 Proシリーズよりも本体が少し重くなっています。筆者は、iPhone 12シリーズは6.7インチパネルのiPhone 12 Maxを選びましたが、iPhone 13 Pro Maxは質量が12gも増えました。さすがに片手で長時間持ち続けるのは大変そうだったので、iPhone 13 Proにサイズダウンすることを決めた次第です。
今になってみると、6.7インチの「Max」の醍醐味である大型Super RetinaXDRディスプレイでしか味わえない感動が存在すると思いました。Apple TV+で配信されているHDR高画質コンテンツの没入感は、やはり6.7インチの「Max」だとひと味違います。
Apple Arcadeのゲーム「ファンタジアン」は、2021年4月配信開始の「前編」をiPhone 12 Pro Maxでクリアしましたが、「後編」を6.1インチのiPhone 13 Proでプレイすると、少しだけ物足りなさを感じてしまいます。特にRPGゲームでは、細かなグラフィックスや文字が見やすい6.7インチの大画面が恋しくなります。キッチンでの作業中に動画を見たり、YouTubeのエクササイズ動画で体を動かす時も、Maxの大画面が快適だと感じます。もし、大きなパネルサイズはそのままに本体が軽くなったら、iPhone 14シリーズではまた「Max」に戻ることも考えたいです。
バランスの良さで選ぶなら無印の「iPhone 13」
写真・動画の撮影はプロ品質ほどは必要ないと考える人は、6.1インチパネルのiPhone 13でも充実したフォトライフが満喫できるでしょう。高機能なセンサーシフト光学式手ぶれ補正など、iPhone 13 Proシリーズに迫るカメラ性能を備えているうえ、「シネマティックモード」のような特殊撮影機能もほぼ肩を並べています。
さらに、iPhone 13シリーズの4機種はすべて最新のA15 Bionicチップを搭載してます。GPUのコア数はiPhone 13 Proシリーズの方が1つ多いのですが、日常的な使用では差を感じません。また、iPhone 13 Proシリーズのディスプレイは120Hz駆動のProMotionテクノロジー対応で、輝度性能も少し勝っていますが、こちらも使い勝手に大きな違いはありません。
内蔵ストレージの容量が128GBで足りるようであれば、「5G対応のiPhone」が10万円以下で買えることのメリットも見逃せません。また、ピンクやレッドなど気分が明るくなる暖色系のカラバリが選べるのも、iPhone 13/13 miniだからこそ。2021年のように、また春にiPhone 13/13 miniの「新色発表サプライズ」があるかもしれません。
12の課題を克服した「13のmini」が意外にいい
筆者のまわりには、5.4インチパネルのiPhone 13 miniを選んだ、という人が多くいます。選んだ理由は、やはりポケットに悠々と入るサイズと軽さが魅力的だったそう。5G対応のiPhoneが86,800円からの価格で買えるインパクトのある価格も、また大きな魅力だと思います。
iPhone 13 miniは片手持ちでも軽快に操作できるので、コンパクトデジカメを扱うような感覚で写真や動画が撮れたり、Apple Pay対応のデジタルウォレットとして活用する時にも機動力が活かせます。ただ、5.4インチの画面では動画を見たり、Webサイトやメール/メッセージの文字が読みづらく感じることがあります。筆者は、6インチ台のスマホに慣れてしまったので、5.4インチのminiは選べませんでした。パネルサイズによる見え方の違いは、販売店の店頭で実際に確かめるのがよいと思います。
iPhone 13シリーズは駆動時の消費電力効率がアップしたのも見逃せません。iPhone 12 miniの課題とされてきた「バッテリーの持ち」ですが、iPhone 13 miniでは本体サイズはそのままに約1.5時間アップとだいぶ改善されています。
iPhone 13 miniは、iPodのような感覚で軽快に操作できるポータブルオーディオプレーヤーとしてもよくできたデバイスだと思います。
新しくiPhone 13 miniを購入したら、アップルの音楽配信サービス「Apple Music」をぜひ体験してほしいと思います。iPhoneを片手で持ちながら聴きたい楽曲の検索や再生が手早く操作できるので、小型ボディの魅力が実感できるはずです。Apple Musicは1カ月間の無料トライアル期間が用意されていますが、iPhoneと一緒にAirPodsシリーズやHomePod、Beatsのヘッドホン・イヤホンを新しく購入すると、無料トライアル期間が6カ月間に延びます。
iPhone SEは5G対応待ち?
日本国内も、5Gでつながる通信エリアが広がっています。これから新しくiPhoneを買うならば5G対応モデルを選びたいところですが、一方では指紋認証によるTouch IDが使えるホームボタン搭載の「iPhone SE」が欲しい、という根強い声があることも確かです。
2020年春に登場したiPhone SEが、今年2年ぶりにアップデートを迎えるのではないか…と海外のメディアなどでウワサになっています。次期iPhone SEは晴れて5G対応になる可能性も高いので、ホームボタン搭載の有無も含めて、春まで新iPhone SEの動向を待つのも手かもしれません。
5G対応のコンパクトサイズなiPhoneを今すぐに、しかも安く手に入れたいという人は、現行ラインナップとして残るiPhone 12/12 miniを選ぶ手もあります。Apple Storeでは、SIMフリーのiPhone 12 miniが69,800円からの価格で購入できます。新iPhoneの購入後に現在使っているiPhoneが不要になるならば、「Apple Trade In」で手持ちのiPhoneを下取りに出すと、購入金額がさらに抑えられます。
本稿を執筆した1月末、大手家電量販店ではiPhone 12 miniのキャリア版モデル(64GB)を中心に、とてもお得な価格で販売、または一定の使用期間後に返却するリースの形態で提供するキャンペーンを実施していました。2月上旬に同じ店舗に足を運んだ時も、まだ同じキャンペーンが続いていました。購入者の年齢や契約形態によって価格が変わるケースがあったり、在庫の状況に応じてiPhoneの種類が異なる場合もあるようですが、一度近くの家電量販店に足を運んでみるのもよいと思います。
著者 : 山本敦
やまもとあつしジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。独ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」を毎年取材してきたことから、特に欧州のスマート家電やIoT関連の最新事情に精通。オーディオ・ビジュアル分野にも造詣が深く、ハイレゾから音楽配信、4KやVODまで幅広くカバー。堪能な英語と仏語を生かし、国内から海外までイベントの取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。
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