手の平サイズでDT版8コアRyzen搭載の驚異!高性能小型PC「EliteMini X500」の実力を検証
各部にメッシュ構造を採用し、エアフローを強化
EliteMini X500は、手の平サイズの筐体を採用する小型PCだ。メモリのサイズが異なる3モデルを用意しており、16GBのメモリと512GBのSSDを搭載する最小構成の実売価格は10万6,980円。執筆時点では直販サイトで予約すると1万円引きで購入できる。
【表1】MINISFORUM EliteMini X500のスペック | |||
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OS | Windows 10 Pro | ||
CPU(基本クロック) | Ryzen 7 5700G(3.8GHz) | ||
搭載メモリ(空きスロット、最大) | DDR4-3200 SO-DIMM 16GB(なし、64GB) | DDR4-3200 SO-DIMM 32GB(なし、64GB) | DDR4-3200 SO-DIMM 64GB(なし、64GB) |
ストレージ | SSD 512GB(PCI Express 3.0 x4) | ||
拡張ベイ | 2.5インチシャドウベイ×1 | ||
通信機能 | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.1 | ||
主なインターフェイス | DisplayPort、HDMI、USB 3.1×4、Gigabit Ethernet×2、ヘッドフォン、マイク、ライン入力、microSDメモリカードスロット | ||
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 154×153×62mm | ||
重量 | 0.95kg | ||
直販価格 | 10万6,980円 | 11万5,980円 | 13万1,980円 |
こうした小型PCでは、主にノートPC向けのCPUやAPUを採用することが多い。サイズが小さい小型PCでは、高性能だが発熱も大きいデスクトップPC向けのCPUやAPUを冷却できるような、きちんとしたCPUクーラーを搭載することが難しいためだ。
しかしEliteMini X500は、同社製のノートPC向けCPUを搭載する小型PCとほとんど変わらないサイズの筐体を採用する。例えば、今回性能比較でも取り上げる同社の「EliteMini TL50」は、MINISFORUM製の最新小型PCで、ノートPC向けの「Core i5-1135G7」をCPUとして採用する。
このEliteMini TL50の横幅と奥行きは149.6mmで、厚みは55.5mmだ。それに対してEliteMini X500の横幅は154mm、奥行きは153mm。厚みも62mmと、EliteMini TL50とほとんど変わらないことに驚く。
EliteMini TL50(左)とEliteMini X500を真上から見たところだ。サイズ感的にはほとんど変わらないこちらは横から見たところ。厚みは6.5mm違うため、EliteMini X500の方が若干厚みを感じる筐体の特徴は、前面、側面、天板など各所にメッシュ構造を取り入れたエアフローに優れた構造を採用すること。こうしたメッシュ構造の天板越しに内部を見ると、横幅と奥行きが約100mm(実測値)のヒートシンクと、90mm径(同じく)のファンを搭載するかなり大きなCPUが組み込まれていることが分かる。
今まで見てきた小型PCのCPUクーラーとしては、かなり大型だ。メッシュ構造の天板を通して外気をこのCPUクーラーで取り込み、Ryzen 7 5700Gをしっかり冷やすということだろう。前面に装備するのは電源ボタンと細いピンで挿すリセットボタンのみで、USBポートはない。
また左側面にはmicroSDカードスロットを備えるが、やはりUSBポートはない。USBメモリなどを頻繁に利用するなら、背面のポートから引き出す延長ケーブルや、USB Hubなどを用意するとよいだろう。
各部にメッシュ構造を採用し、エアフローを高めた筐体を採用左側面にmicroSDカードスロットと、ヘッドフォン、マイク、ライン入力端子を搭載背面の映像出力端子は、DisplayPortとHDMIの2系統。どちらもリフレッシュレート60Hzの4K出力に対応しており、同時に利用して2画面のマルチディスプレイ環境を構築できる。4基のUSBポートはすべて10GbpsのUSB 3.1(USB 3.2 Gen 2)対応だ。2基の有線LAN端子は、どちらもGigabit Ethernet対応となる。
背面にはDisplayPortとHDMIの映像出力端子を装備。右端のUSBポートはすべてUSB 3.1対応だ