1型センサーの実力はいかに。写真中心レビューで「Xperia PRO-I」の魅力に迫る
1型センサーだが有効画素数は1,200万画素
1型センサーと言えば、以前レビューしたライカスマホの「Leitz Phone 1」がまず思い浮かぶ。
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こちらは2,020万画素/F1.9/焦点距離19mmの超広角レンズがベースで、広角の24mmと望遠の48mmはいわゆるデジタルズームだ。カメラの操作性に難があったが、当たればスマホとは思えない絵を叩き出す。
対して今回ご紹介するXperia PRO-Iは、1型センサーだが有効画素数は1,200万画素となる。これは1,200万画素のセンサーを搭載しているのではなく、総画素数2,100万画素をクロップして1,200万画素分だけ使っていて、電子手ブレ補正利用時などはこの外周も利用する。
このあたりの話は「ソニーの超ハイエンドスマホ「Xperia PRO-I」実機写真レビュー」にくわしく載っているので、興味のある人はあわせてご覧いただきたい。実質的には1/1.3型の1,200万画相当になるようだ。iPhone 13 ProやXperia 1 IIIなどが1/1.7型前後なので、それでも大きいことには違いない。
全画素を使わない分、レンズの小型化やリアルタイムトラッキング性能、連写性能は1型センサーをまるまる使うより向上しているとのこと。これを1型センサーのカメラと言っていいのかは別の議論として、筆者的には写り良ければすべてOKだ。
なお今回お借りした実機は試作機で、SIMの使用およびベンチマークテストは行なえないが、これをいいことに、Xperia PRO-Iで撮った写真ばかりの記事となっている。主な仕様は以下の通り。
【表】Xperia PRO-Iの仕様 | |
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SoC | Snapdragon 888 5G(オクタコアCPU、2.84GHz、Adreno 660を内包) |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 512GB |
OS | Android 11 |
ディスプレイ | 6.5型1,640×3,840ドット有機EL、アスペクト比21:9、HDR、リフレッシュレート最大120Hz、HDR/BT.2020/10bitカラー対応クリエイターモード搭載 |
ネットワーク | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、NFC(FeliCa対応) |
SIM | Nano SIMカードスロット×2 |
対応バンド | 5G:n3/n28/n77/n78/n79LTE:Band 1/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/21/26/28/38/39/40/41/423G:Band 1/5/6/8/19GSM:850MHz/900MHz/1.8GHz/1.9GHz |
インターフェイス | USB 3.1 Type-C(USB PD、DisplayPort対応)、デュアルフロントスピーカー、microSDカードスロット(SIM2と排他)、3.5mmジャック、指紋認証センサー |
前面カメラ(有効画素数) | 約800万画素/F2 |
背面カメラ(有効画素数) | 16mm(超広角):約1,220万画素/F2.224mm(広角):約1,220万画素/F2・F4、1型Exmor RS CMOSセンサー50mm(望遠):約1,220万画素/F2.43D iToFセンサー |
サイズ/重量 | 約72×166×8.9mm(幅×奥行き×高さ)/211g |
バッテリ | 4,500mAh(3年間劣化しにくい長寿命) |
その他 | 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X) |
価格 | 19万8,000円 |
仕様を見比べると分かるが、SoCやメモリ、ストレージ、各種インターフェイス、SIMなど、多くの部分はXperia 1 III(SIMロックフリー版)と同じだ。主な違いは、サイズ/重量、カメラ、そして価格となる。ここだけ抜き出すとこのようになる。
【表】Xperia PRO-IとXperia 1 IIIの主な違い | ||
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Xperia PRO-I | Xperia 1 III | |
前面カメラ(有効画素数) | 約800万画素/F2 | 約800万画素/F2 |
背面カメラ(有効画素数) | 16mm(超広角):約1,220万画素/F2.224mm(広角):約1,220万画素/F2・F4、1型Exmor RS CMOSセンサー50mm(望遠):約1,220万画素/F2.43D iToFセンサー | 16mm(超広角):約1,220万画素/F2.224mm(広角):約1,220万画素/F1.770mm・105mm(望遠):約1,220万画素/F2.3・2.83D iToFセンサー |
サイズ/重量 | 約72×166×8.9mm(同)/211g | 約71×165×8.2mm(同)/186g |
価格 | 19万8,000円 | 15万9,500円 |
つまり決定的な違いはカメラで、その分少し大きく重く、高額になっている。そのカメラも前面と超広角は同じで、望遠は焦点距離や仕組み(Xperia 1 IIIは70mmと105mmの切り替え式)が違う。結果、圧倒的な違いは本機の特徴通り広角の1型センサーとなる。
価格については高額ではあるものの、例えばiPhone 13 Pro Max/1TBモデルならほぼ同額となる。最近徐々に出てきたフォルダブルだとさらに高い場合もある。ハイエンドには違いないが、本機だけ特別高価と言うわけでもない。
前面(左がXperia PRO-1、右がXperia 1 II)。分かりにくいがパネル上中央より左寄りに前面カメラを備える。どちらも輝度50%の場合、経年劣化かもしれないが、Xperia 1 IIの方が気持ち暗い感じだ背面(同)。Xperia PRO-Iはマットブラックなので指紋跡が目立たない。またカメラ部分が圧巻。机などに置いたときの座りもよい全体的に気持ちXperia PRO-Iの方が大きく厚みもある(左がXperia 1 II、右がXperia PRO-1)Xperia 1 IIとの比較写真から分かるようにサイズ感はほぼ同じだ。ただ実際に持つと厚みと重さの違いは大きく、数字以上にXperia 1 IIの方が持ちやすく感じる。
前面はパネル上中央の少し左寄りに前面カメラを内蔵。背面はマットブラックで指紋跡が目立たない。上側中央にカメラ群を搭載する。Xperia 1 II/IIIはカメラが左に寄っていたため、机などに置くとガタついたが、本機はそのようなこともなく座りがよい。
ディスプレイの6.5型1,640×3,840ドット有機ELは、HDRをサポートし、リフレッシュレートは最大120Hz。HDR/BT.2020/10bitカラー対応クリエイターモードも搭載している。
明るさ、コントラスト、発色、視野角は文句なし。非常に綺麗で素直なパネルだ。また21:9のアスペクト比はFacebookやTwitter、Instagramなどでは情報量が多く見やすい。
右側面に音量ボタン、電源ボタン(指紋認証センサー搭載)、ショートカットキー、シャッターボタン。下側面にUSB 3.1 Type-C左側面にSIMカードスロットとストラップホール。上側面に3.5mmジャックNano SIMカードスロットは爪でちょっとひっかけると外れ、イジェクトピンは不要。上がSIM2、下がSIM1。microSDカードはSIM2と排他実測で211g。200gを超えるためスマホとしては重い方となる右側面に音量ボタン、電源ボタン(指紋認証センサー搭載)、ショートカットキー、シャッターボタン、下側面にUSB Type-Cを備える。左側面にSIMカードスロットとストラップホール、上側面に3.5mmジャックを配置。
SIMカードスロットは爪などで少し引っかければ外れる機構で、イジェクトピンは必要ない。上がSIM2、下がSIM1で、microSDカードはSIM2と排他だ。
発熱は試用した範囲ではまったく感じなかった。季節やベンチマークテストなど負荷をかける処理をしていない関係もあるだろう。
サウンドは、Xperia 1 IIIのときにも書いたが、Xperia 1 IIとは別物。スピーカー/3.5mmジャックともにパワーがあり、リニアリティもよい。