沿って, Uav-jp 26/06/2022

[Reviews]Vol.49 空撮用FPVドローン「DJI FPV」登場!レース用ドローンの世界を変えることができるか!? [前編] | DRONE

DJIよりゴーグルを装着して操縦ができるFPVドローン「DJI FPV」が登場!その概要をさっそくレポートします。

ここがスゴイよ!DJI FPV

今までのFPVドローンのゲームチェンジャーにもなりうるDJI FPV。何がスゴイのか、まずはおさらいしたいと思います。

これまでのFPVドローンは自分で組み立てたりゴーグルやプロポを別途揃えたりする必要があったのですが(そこが楽しみのひとつでもありますが…)、今回デビューしたDJI FPVは専用ゴーグルやプロポなど必要なものは全て揃い、機体はスタイリッシュな流線型デザインの完成型、しかも見た目はレース用FPVドローンですが2.4GHz(遅延28ms以下)を映像伝送に利用している(これまでのDJI製品と同様の電波)ので無線関連免許も必要ありません。

※ゴーグルを使用したFPVドローンは映像伝送の遅延対策等のため5GHz帯の電波を利用して楽しむものがほとんどでした(5.8GHz帯の趣味利用には4級アマチュア無線免許が、業務利用は5.7GHz利用で第三級陸上特殊無線技士が必要)

DJI FPVは空撮機として秀逸な機体に仕上がっています。カメラはチルト(上下)操作が可能なジンバルを搭載した1/2.3インチセンサー(Mavic 2 ZoomやMini 2同等)・4K/60pの高画質対応、映像ブレ補正機能「RockSteady」も搭載しています。映像伝送も低遅延・高画質な「DJI O3(Ocusync 3.0)」対応なので伝送範囲6km(カタログ値)の強力な伝送でリアルタイムに映像を確認しながら安全かつスリリングな撮影をすることができます。

これまでのFPVドローンは飛行安定関連センサーが搭載されていないレース用ドローンが主流でした。レース用として速度や加速性能が優れる反面、操縦のハードルが高いのがどうしてもネックに。しかし、DJI FPVはこれまでのDJI製品と同じく飛行を安定させるGNSS(GPS等)やポジショニングカメラ、赤外線高度センサー等を搭載しています。

レース用ドローンのマニュアル飛行ができないユーザーでもPhantomやMavicシリーズのような感覚で機体をコントロールすることができるのが特徴です(マニュアル飛行もスイッチングで可能)。オプションの「DJI Care Refreshサポート」(一定金額を事前に支払うことで機体損傷時に新品に交換してもらえる機体保険のようなサポート)の対象になっているのも嬉しいですね。

飛行モードがこれまでのDJI空撮機に近いNモード、FPVドローン本来の動きとなるMモード、NとMのハイブリッドとなるSモードの3つを搭載。事前練習用にアプリでシミュレーターも提供されています。さらに別売スティック型の「DJIモーションコントローラー」で直感的な操縦にも対応。

それらを適切に選択することで自分の操縦レベルに合わせて楽しむことができます。また、緊急ブレーキ&ホバリング機能や自動帰還モード、障害物検知センサーの搭載(Nモード時のみ、スピードを緩める程度ですが…)があることで万が一のリスクにも備えることができます。

機体

[Reviews]Vol.49 空撮用FPVドローン「DJI FPV」登場!レース用ドローンの世界を変えることができるか!? [前編] | DRONE

離陸重量約795g
最大飛行時間約20分(無風、定速40km/hの状態)
動作周波数2.400~2.4835GHz(日本)
最大速度Mモード:39m/s(140km/h)Sモード:27m/s(97km/h)Nモード:15m/s(54km/h)
最大加速度0→100km/hで2秒(Mモード)
GNSSGPS+GLONASS+GALILEO

カメラ

センサー1/2.3インチCMOS、有効画素数:12M
レンズ画角:150°(50/100fpsで撮影する場合のみ)35mm換算:14.66m絞り:F2.8
ISO感度100~3200
電子シャッター速度1/8000~1/60秒
最大静止画サイズ3840×2160
動画解像度4K:3840×2160(50/60p)FHD:1920×1080(50/60/100/120p)
動画フォーマットMP4/MOV(MPEG-4 AVC/H.264、HEVC/H.265)
最大ビットレート120Mbps
カラープロファイル標準、D-Cinelike
スタビライズチルト短軸+電子式ロール軸(機体の傾き10°以内のとき)RockSteady映像ブレ補正

動画伝送

動作周波数2.400~2.4835GHz(日本)※DJI O3対応
伝送範囲6km(日本)
ライブビューモード低遅延モード:810p/120fps(遅延:28ms以下)高品質モード:810p/60fps(遅延:40ms以下)
動画最大ビットレート50Mbps

インテリジェントフライトバッテリー

容量2000mAh
電圧22.2V
タイプLiPo 6S

開封の儀 内容物を確認する

では、さっそくパッケージを開封していきましょう。今回は通常の「DJI FPVコンボ」に加え、別売りの予備バッテリー&充電ハブが入った「DJI FPV Fly Moreキット」、スティック型のコントローラー「DJIモーションコントローラー」も見ていきます。

メインの「DJI FPVコンボ」パッケージを開封すると、下記のものが入っていました。整理されたレイアウトは毎度のとおり。今回の内容物はケーブルが少し多いようです。そしてライトグリーンの色違いトップシェルも!

(内容物)

「DJI FPV Fly Moreキット」と「DJI モーションコントローラー」も開封します。

機体各部チェック

カメラは4K60p対応&1/2.3インチセンサーを搭載。画角は35mm換算で14.66mm(50/100 fpsで撮影する場合のみ)なので、Mavic 2 ZoomやDJI Mini 2とセンサーサイズは同じで画角がかなり広い…ということになります(ZoomやMini 2は83°、35mm換算で24mm)。飛行スピードが速いので広い画角は必須というところもありますね。

ちなみに、ジンバルも搭載されており、チルト(上下)方向にカメラを動かすことができますが、ロール方向のジンバルの動きは機体の傾きが10°以内の場合にデジタル処理となります(FPVドローンならではのロールが効いた撮影が可能!)。

プロペラはDJI初(?)の3枚タイプになっています。形状はよく見ると最近のPhantom 4シリーズやMavic 2シリーズのプロペラと似た形状(先端がカーブしている)。そして、回転方向が今までのDJIシリーズとは逆になっています(DJI FPVは前が外回り・後ろが内回り。PhantomやMavicは前が内回り・後ろが外回り)。これは、レース用ドローン特有のタイトなターンをしたときに機体が沈み込んでしまう減少を抑える効果などがあります。

機体正面にはDJIではおなじみビジュアル型の障害物検知センサーが2つ搭載されています。万が一の保険に心強いセンサーです。

機体前方下部には低空での位置情報を取得するポジショニングカメラと低空での地面までの距離を計測する赤外線センサーが搭載されています。黄色いセンサーのようなものはMavic 2 シリーズにも搭載されているLEDライトになります。

ポジショニングカメラは画像解析で位置情報を取得しているため光量が少ない環境では精度が落ちてしまいます。この光量の足りない地面をLEDが照らすことでポジショニングカメラの精度を向上させ安定した飛行ができます。

バッテリーはLiPo6セルとなります。1本で約20分の飛行が可能(カタログ値)。コネクタが出たタイプとなっており、機体に差し込んだあとにコネクタを接続する必要があります。また、機体を置いたときの"脚"にもなっているようです。

プロポチェック

プロポはMavic 2シリーズよりも少し大ぶり、厚みもあります。ただ、持った印象はとても持ちやすく感じました。取り外しができるスティックを操作する感覚もMavic 2シリーズやPhantomシリーズと同じ感覚(ギザギザ感)となっています。プロポ上面にはチルトダイヤルやモード変更ボタン、録画ボタンなどが並んでいます。

ちなみにDJIモーションコントローラーは操縦桿のようなデザイン。コントローラーを傾けたりひねったりすることで方向を、トリガー(引き金)を引くことでスピードをコントロールします。古きラジコン時代から続く2つのスティックを操縦する従来のプロポよりも直感的に操縦できそうな印象です。車のラジコンも今はハンドル+トリガータイプのプロポが主流となっており、もしかしたらドローンの主流のひとつにこういった操縦桿タイプがなるかも…?

DJI FPV Goggles V2チェック

ゴーグルは脱着式のアンテナを4本取り付けて使用します。バッテリーは外付け式で、交換すれば長時間の利用も可能となっています。USB-Type C端子もありますがこちらはスマホなどモバイル端末接続用となり、電源供給は専用のケーブルを使用する必要があります。また、筆者はメガネをしているのですが、メガネを着用したままではゴーグルが装着できませんでした。ぜひここは改善をお願いしたい…。

まとめ

2012年、それまでマルチコプター(ドローン)は必要なパーツを集めて自作することが当たり前だったころ、プロポやバッテリーが付属した一体型のDJI Phantom(初代)が登場、ユーザーのハードルを下げ、その飛行安定性やGPSを利用した自動帰還機能は衝撃を与えました。

DJI FPVは、自作が当たり前だったレース用ドローンの世界を今また同じように変えようとしています。没入感のあるフライト、まるで飛んでいるかのような映像表現、それまでハードルが高かった世界を一気に身近なものにしてくれることでしょう。

ただし、ゴーグルを着用してのフライトは航空法の「目視の範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること」の範囲を超えてしまうため、国土交通省への申請と補助者に周囲を常時監視してもらいながら飛行させる必要があります。

また、ゴーグルからの視界は前方以外は見えず、かつ機体性能的に今までの空撮機よりも大幅にスピードが出ることから、安全管理や周辺の空間把握はより厳重にした上でのフライトを心がけてください。それらを踏まえ、次回以降、シミュレーターや実際のフライトについてもレポートをしたいと思います。お楽しみに!

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