沿って, Uav-jp 04/01/2023

無料だけどスマホでプロ級の写真を撮れる モバイル版「Adobe Lightroom」を試す

Lightroomを起動した直後のメニュー画面

無料だけどスマホでプロ級の写真を撮れる モバイル版「Adobe Lightroom」を試す

「スマホで手軽に、こだわったきれいな写真を撮りたい」というわがままな要望をかなえてくれるアプリがある。アドビがスマートフォン向けに「基本無料」で配信しているアプリ「Adobe Lightroom」を使えば、シャッタースピードやISO感度はもちろん、アドビのAIを使った高度なフォーカス機能や色補正を利用できる。【画像】スマホ上で撮影から色調整までを行った写真「基本無料」なのはスマートフォン単体で利用した場合のみで、PCとの連携やクラウドストレージを利用したい場合は、「Creative Cloud」の月額1078円(税込み、以下同)で利用できる「フォトプラン」や、月額6248円の「Creative Cloudコンプリートプラン」を契約する必要がある。PCとクラウドで連携して編集にこだわりたい、という場合にはこちらをおすすめする。今回は日々の記録に使う風景や、プラモデルの撮影などでLightroomを利用する筆者が思うおすすめポイントを紹介したい。撮影は「iPhone XS」で、下部を右側にして横に持って行っている。

本来は「画像編集ソフト」だが撮影も可能

本来、Lightroomはカメラで撮影したRAWファイルの色味や光の度合いなどを調整して出力(現像)するソフトだ。スマホ版ではそれらの機能に加え、「写真を追加する」「写真を撮影する」ボタンが備えられている。オプションのように配置されているボタンだが、スマホ版ではこれがメインの機能といえる。例えば黒い毛のペットや、紺色など暗い色のものを標準のカメラアプリで撮影しようとすると、スマホ側で「暗い部分だ」と判断してISO感度を上げたり、シャッタースピードを落として手ブレが発生しやすくなる。Lightroomでは、細かい設定が可能な「プロフェッショナル」で必要な部分を設定して残りの部分を自動にすれば、きれいに撮影できる。この他にもLightroomには全ての撮影を自動で行う「AUTO」、HDR画像を撮影できる「HDR」、iPhoneのみで可能な深度マップを作成できる「深度撮影」の4種を使える。シャッタースピード、ISO感度を設定した上で撮影してみよう。シャッタースピードは速いほど手ブレが減り、撮影しやすくなる。ISO感度が高いと暗い部分を明るく撮影できるが、高すぎると画像にノイズが生まれて鮮明さが失われる。三脚などでスマホを固定できるなら別だが、基本的にシャッタースピードは速めでISO感度も低い方がきれいな写真を撮りやすい。他のUI(ユーザーインタフェース)を見てみよう。UI自体はシンプルで、「Exp」が露光量補正、「Sec」がシャッタースピード、「ISO」がISO感度。「WB」がホワイトバランス(色温度)、「[+]」が焦点で、「初期化」は全ての設定を元に戻す。それぞれのスライダーは選択している状態なら画面内のどこをスワイプしても調整でき、項目をダブルタップするとそれだけ初期化できる。焦点は画面内をタップすることでロックできる他、長めにタップするとフォーカスをロックした上でアドビのAIが輪郭を緑色で強調する。小さなミニチュアやプラモデルなどにカメラを寄せてボケ感を出したいとき、複数の人物撮影でカメラとの距離を合わせたいときに便利な機能だ。シャッタースピードが速すぎると、人工照明の下で撮影する場合に点滅するような現象が起きるので注意したい。これはLED照明が流れる電気の周波数にあわせて点滅しているから(東日本で50Hz、西日本で60Hz)で、シャッタースピードを自動にするか1/100もしくは1/120にすることでおよそ避けられる。色温度は被写体に当たっている照明の色に左右される。白熱灯や昼光色の蛍光灯なら赤く、日光や曇天下なら青い。この他、撮影する写真で出したい色味で変えることもできる。また、グレーを写して色温度を補正する「スポイト」機能も備える。厳密に設定すると塗料を塗った板を使うそうだが、現地で手早く設定するならアスファルトではない地面の灰色、打ちっぱなしのコンクリートなど、グレーに見える部分を使うのも手だ。この他にも南京錠のマークで露光量ロック、白黒の丸マークでカラーフィルター、レンズマークで広角/望遠の切り替えができる。

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