ウォルマート、ドローン配送を全米3000店舗で…人口の70%をカバー
無料のメールマガジンに登録
平日17時にBusiness Insider Japanのメルマガをお届け。利用規約を確認
ウォルマートの駐車場上空をホバリングするドローン。
DroneUp
ウォルマート(Walmart)は、空から迅速かつ効率的に顧客へ荷物を届けるために、ドローン配送事業への投資を続け、大きな動きを見せている
ウォルマートは、ドローン配送網を拡大している。
Walmart
Source:Insider
ウォルマートは2020年9月から、フライトレックス(Flytrex)、ジップライン(Zipline)、ドローンアップ(DroneUp)といったドローン配送のスタートアップ企業3社と提携し、多様な事業を展開している
ドローンアップのドローン。
Walmart
Source: Walmart
もっと知るグーグル傘下のドローン配送会社、アメリカの大都市圏でサービス提供へ同社でラストマイル配送を担当する上級バイスプレジデントのトム・ウォード(Tom Ward)は、2020年のInsiderのインタビューで、各社のドローンはそれぞれの役割を担っており、ウォルマートでは「極めて新しく革新的な方法で(配送の)スピードと利便性を高める」ために実験をしてきたと述べている
ウォルマートの駐車場上空をホバリングするドローン。
DroneUp
Source:Insider
ウォルマートによると、ドローンアップは新型コロナのパンデミックの最中に、診断情報サービス会社のクエスト・ダイアグノスティクス(Quest Diagnostics)と提携し、ノースラスベガスとニューヨーク州チークトワガの顧客にCOVID-19関連のキットを届け...
ドローンアップは主にCOVID-19関連のキットを配送した。
Walmart
Source:Insider,Walmart
...フライトレックスは、ノースカロライナ州ファイエットビルで、食料品や日用品を住宅地まで届けるテストを行い...
フライトレックスのドローン。
Flytrex
Source:Insider,Walmart
...ジップラインは、2021年12月17日からノースウェスト・アーカンソーで健康・福祉関連商品を中心に配送を行うことになった
8メートル近い長さのプラットフォームから飛び立つジップラインのドローン。
Zipline
Source:Zipline
Advertisement
ウォルマートと各社の提携は成功し、ドローン配送オペレーションの拡大と改善に向けた動きを見せている。これはアメリカにある同社の4700の店舗の半径16キロメートル以内にすむ人々(全米の人口の90%)にとってはよいニュースだ
ウォルマートの店内。
Jeff Greenberg/Universal Images Group via Getty Images
Source:Insider
Industry Diveによると、フライトレックスは2021年5月、アメリカ連邦航空局(FAA)から住宅地上空を飛行する許可を取得したことで、ノースカロライナ州ファイエットビルでサービスを提供できる家庭が2000軒以上増えたという
ノースカロライナ州にある住宅の裏庭に荷物を配送するフライトレックスのドローン。
Flytrex
Source:Industry Dive
FAAからの飛行許可を取得する以前、フライトレックスのドローンは、配送センターと屋外レクリエーションエリア間に設定されたルートでしか飛ぶことができなかった。この自律型ドローンは最大3キログラムの荷物を搭載し、5.6キロメートルの距離を飛行できるという
アーカンソー州ベントンビルにあるウォルマートの配送センター。
Rick Wilking/Reuters
Source:Industry Dive,FlyTrex
ウォルマートは、何百回にも上るCOVID-19検査キットの配送テストで、配送時間を数時間からわずか数分に短縮できることが証明され、ドローンアップとの提携を拡大した
アーカンソー州ファーミントンのウォルマート・ネイバーフッド・マーケット(WNM)のプラットフォームから離陸するドローンアップのドローン。
DroneUp
Source: Walmart
同社初の「ハブ」空港は、アーカンソー州ファーミントンのウォルマート・ネイバーフッド・マーケット(WNM)にあり、同州ロジャースとベントンビルの2拠点と連携して多拠点展開を図るという
アーカンソー州ファーミントンのWNMにあるドローンアップの「ハブ」。
DroneUp
Source:DroneUp,Forbes
ドローンによる自律型配送サービスが2021年11月に始まってから、顧客は数千の商品を最短30分で受け取れるようになった
ウォルマートと提携したドローンアップ。
DroneUp
Source:DroneUp
「2021年初めにドローンアップに投資した際に我々が思い描いていたのは、すばやく配送ができ、他の店舗にも流用できるドローン配送オペレーションを行うことだった」とウォードはプレスリリースで述べている。「コンセプトから数カ月で最初のハブを開設できたのは、安全かつスピーディに配送できるドローンアップの能力を示している」
ドローンアップによる住宅地での配送。
DroneUp
Source:DroneUp
また、ドローンアップはこのほど、世界的な空域管理ソフトウェアのエアマップ(AirMap)を買収した。これにより、無人機の安全性を高めるとともに、配送能力を向上させ、人手不足の解消につながると思われる
ドローンアップのドローン。
DroneUp
Source: DroneUp
一方、ウォルマートとジップラインは、1年以上の準備期間を経て、2021年11月に自律型配送オペレーションを開始した
ジップラインのドローン。
Zipline
Source:Zipline
ジップラインは、アーカンソー州ピーリッジにあるWNMの半径80キロメートル以内の住民に薬や体温計などの健康食品を配達する予定で、同店の裏には配送センターが設置されている
アーカンソー州ピーリッジのWNMの裏手にある配送センター。
Zipline
Source:Zipline
このドローンは長距離飛行ができるため、農村部に住む人や健康リスクの高い高齢者などが、店舗まで足を運ぶことなく必要な物資を入手できるようになると、ウォードはプレスリリースで述べている
荷物はドローンに積み込まれ、約8メートルのプラットフォームから発射される。
Zipline
Source:Zipline
「ジップラインの自律型ドローンによって、体温計や処方箋不要の薬、緊急用のおむつなど、今すぐに必要なものをオンデマンドで配送するすばらしいサービスを提供できるようになった」とウォードは言う
ジップラインのドローン。
Zipline
Source:Zipline
ウォルマートが拡大させている配送ネットワークに、ジップラインとドローンアップによる最新テクノロジーが加わり、全米3000以上の店舗から配送サービスが提供されることになった。これを利用できる顧客はアメリカの全人口の70%に当たるという
ウォルマートの配送。
Walmart
Source:Walmart
またウォルマートは、配送センターとアーカンソー州ベントンビルにあるWNM間を、完全自律走行型トラックで結んで食料品の配送ができるようになったと発表した
ウォルマートの無人で走る完全自律走行型トラック。
Courtesy of Gatik
Source: Walmart
もっと知るウォルマート、完全自動運転トラックによるルート配送を開始ウォルマートは一方で、スパークドライバー(Spark Driver)、ローディ(Roadie)、インスタカート(Instacart)といった企業によるオンデマンド配送サービスも提供している
ウォルマートの顧客に向けて荷物を配送するローディのドライバー。
Roadie
Source:Zipline,Tech Crunch
もっと知る未来のフードデリバリーはドローンが主役? KDDIとJR東日本が都内で初実証[原文:Walmart is making moves into drones — here's how they plan to do it]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
関連記事:
Advertisement