沿って, Uav-jp 30/08/2022

“うちの猫”がもし迷子になったら? ペットレスキューがサポート、なるほど!効率よく捜せる方法とは|まいどなニュース

 動物病院やペットショップの掲示板、町なかを歩いていても迷子猫のチラシを結構目にします。ネット上の「迷子掲示板」にはたくさんの投稿がありますし、その数だけ心配し、心を痛め、昼夜を問わず懸命に捜しているご家族がいるということです。そんな人たちのチカラになりたいと迷子捜索を行っているのが『ペットレスキュー』の皆さん。代表の藤原博史氏が立ち上げて25年以上になります。

 これまで、基本的に「出張捜索」を請け負ってきました。現場に出向き、飼い主に代わって捜索や捕獲作業を行うものです。現在、スタッフ3名で対応する出張捜索は年間約200件。それ以外に、藤原氏は一人で活動していたときから電話相談にも応じていましたが、TBS系列『情熱大陸』やNHK BSで放送されたドラマ『猫探偵の事件簿』などメディアでの露出が増えると捜索依頼、電話相談ともに急増。多いときは1日30件の電話相談に対応していたそうです。

「ただ、電話のやりとりだけで状況を把握したり、やることを覚えていただくには限界があるので、『次はどうすればいいか』といった問い合わせが続くことも多く、出張捜索にも支障をきたすようになってしまって…」(藤原氏)

LINEビデオ通話で捜索会議

 そこで考えたのが“議事録”を作成する会議形式のサポート。話し合った内容を文字と画像で残すことにより、飼い主はやるべきことを1つずつ確認しながら捜索することができます。名付けて『オンライン迷子猫捜しサポート』。スタッフが現地に出向くことなく、飼い主自身が捜索することをオンラインでサポートするものです。主な流れは以下の通り。

①捜索カルテ作成

 飼い主が申し込みフォームに失踪状況、生活パターン、外観、性格などを記入しカルテを作成。病院の“問診票”に当たるもの。

②オンライン捜索会議

 捜索カルテをもとに飼い主、猫探偵(藤原氏)、コーディネーター(田中政行氏=オンライン運営を担当)でLINEグループを作り、ビデオ通話で捜索会議を行う。まず田中氏が病院の“看護師”のように飼い主に質問してカルテの精度を上げ、藤原氏が“医師”のように状況を分析、個別の“処方箋”を作ると言う。「一般的な迷子猫の捜し方」ではなく、個別に「うちの猫の捜し方」を教えてもらえる。

“うちの猫”がもし迷子になったら? ペットレスキューがサポート、なるほど!効率よく捜せる方法とは|まいどなニュース

③議事録共有

 田中氏が捜索プラン(議事録)を作成し、飼い主と共有。飼い主はそのプランに沿って、すぐに効果的に作業を始めることができる。

迷子猫捜しに有効なチラシとは

 2021年9月11日に開始したサービスは口コミのみで広がり、2022年1月末時点で実施件数185件、発見率は65%に上ると言います。出張捜索の80%には及びませんが、飼い主による捜索としては高い発見率と言えるのではないでしょうか。ポイントは今のうちの猫にとって効果的な、個別の捜索プランを立ててもらえること。

「今の時代、ネットで検索すれば“迷子猫の捜し方”はいくつも出てきます。でも“うちの猫の捜し方”を見つけることはできません。性格や生活環境、いなくなってからの日数などによって1匹ずつ全部違ってきますから。検索しすぎて混乱して依頼してくる方も多いですね」(藤原氏)

 費用はかかりますが、的外れな捜し方で時間を無駄にする前にプロのチカラを借りるほうが、発見の可能性が高まることは言うまでもありません。

 オンライン迷子猫捜しサポートのサービスは他にもあります。その1つが効果的な迷子チラシの作成。飼い主が作るチラシは総じて情報量が多く、かえって印象に残りづらいものですが、プロが作るチラシは見た目の特徴を1つ、多くても2つまでに絞り込むため、信ぴょう性の高い目撃情報につながりやすいと言います。

「もしもの時に備えて、うちの猫の特徴を一言で言うと何かを考え、それが分かりやすい写真を撮っておくことも大事です」(田中氏)

 また、捕獲器やトレイルカメラのレンタルサービスもあり、一度きり(にしたい!)のために購入する必要もありません。迷子チラシの効果的なポスティング方法や捕獲器の設置方法、トレイルカメラの使い方などについては、動画撮影してYouTubeで一般公開することも検討中だそうです。

公式インスタグラムの活用を

 自分で正しく捜せる飼い主が増えればと、藤原氏はこれまでの捜索で培った基本的な作業手順を「迷子猫捜しマニュアル」として『ドコノコ』(犬猫写真SNSアプリ)で公開しています。また応用編として、ペットレスキューの公式インスタグラム(@petrescue1997)では依頼者の許可を得た一部のケースについて、失踪状況や捜索状況、発見の経緯や捕獲方法などをほぼ毎日紹介。迷子になったうちの猫の状況に似ているケースを探せば、捜索の参考になるかもしれません。

「それでも、もし猫の捜し方に迷いがある場合は『オンライン迷子猫捜しサポート』をご依頼ください。そして、ご自分で捜索作業をやり切ることが難しい場合は『出張捜索』をご検討いただければと思います」(藤原氏)

 今回は迷子猫捜索について紹介しましたが、ペットレスキューの捜索対象は猫だけではありません。また、今後は“探偵業”にとどまらず、迷子にしないための予防策の構築にも力を入れていきたいと藤原氏は話します。