猛烈な「スーパー台風」日本に上陸の可能性は?制御は可能?
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地球温暖化の影響もあり、これまでの台風の勢力をはるかに上回る「スーパー台風」が日本に接近・上陸する懸念が高まっています。猛烈な風が特徴のスーパー台風に、私たちはどう向き合っていけばいいのでしょうか?◇2019年10月の台風19号。発生後まもなく猛烈な勢力に発達しその後強さを落とすも、強い勢力で伊豆半島に上陸、東日本を縦断しながら記録的な大雨を降らせ、河川も氾濫、多くの方が犠牲となりました。日本付近の海面水温が高く、エネルギーの水蒸気を多く吸収したため、勢力が強いままだったと、考えられています。地球温暖化の影響で、台風が強くなっている恐れが…。そして、現在、懸念されているのが、「スーパー台風」。アメリカ軍の気象機関の分類では「最も強い」台風です。2013年にフィリピンを襲ったスーパー台風「ハイエン」は最大瞬間風速90メートル。犠牲になった方は7000人以上に。暴風と高潮によって、街の様子が一変しました。■スーパー台風が日本に接近・上陸する可能性はスーパー台風が日本に接近・上陸することはあるのでしょうか。台風メカニズムを研究している名古屋大学・坪木和久教授に聞きました。坪木教授「今後、海面水温が2℃くらい上昇する。フィリピン東方海上の海面水温が日本本土付近に広がるわけです。現在フィリピンに上陸してるようなスーパー台風が日本本土付近に到達することは十分予測される」スーパー台風の特徴の一つは猛烈な風です。スーパー台風を想定し、送風機を使って、風速80メートルの猛烈な風を発生させる実験。ベビーカーを押して歩く男性、風が吹いてくると…風の勢いで、ベビーカーも、身体も軽々と飛ばされてしまいます。猛烈な風の威力です。■スーパー台風の被害を最小限にするには?将来、日本に接近・上陸する恐れがある「スーパー台風」。被害を最小限にするための手立ては、あるのでしょうか?例えば中国では、自然現象を人工的にコントロールしようという取り組みが行われています。AIを搭載した大型の気象制御無人機を開発。複雑な気象条件、地形でも、人工的に雨や雪を降らせるようになるということです。実際、台風の強さを制御することは可能なのでしょうか?坪木教授「台風の人工制御を行う。これは挑戦していくべき課題だと思います」坪木さんの構想です。将来実現が期待されている水素エンジンを積んだ無人機を、台風の上空に飛ばします。無人機で水を排出すると、台風の上部の雲の粒子が水を含んで重みを増し、重さで雲の位置が下がると、気圧にして15ヘクトパスカル、勢力が弱まる可能性があるのです。構想段階ですが、坪木さんは台風を制御するには正確な知識が欠かせないと考えています。杉野真実キャスター「正確な台風のデータを集めることで、未来の台風に備えることになるんですね」坪木教授「台風って日本人にとって大変なじみのあるものですが、台風は実はわかっていないことが非常にたくさんあります。より正確に知る、予測することで、災害をできるだけ減らす。台風を制御することができれば、災害をより減らすことはできる。人命が失われないような未来を作るべきだと思います」恐ろしいスーパー台風。坪木先生によると、このまま何もしなければ、今世紀末には、日本に度々スーパー台風が上陸する恐れがあるとの事でした。最新のIPCC(=気候変動に関する政府間パネル)の報告では、地球温暖化の原因は、私たち人間自身と言及されました。これから襲ってくる台風を私達が止めるのは難しい現状ですが、台風が強くなっていることを知っていただき、早めの備え避難に繋がれば幸いです。
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