沿って, Uav-jp 06/04/2022

池松壮亮と伊藤沙莉の絶妙な会話シーン「この映画は、ほぼアドリブがない」松居大悟監督、映画『ちょっと思い出しただけ』を語る(2)

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写真左から、松居大悟と武田梨奈(写真:ラジオ関西)

池松壮亮と伊藤沙莉の絶妙な会話シーン「この映画は、ほぼアドリブがない」松居大悟監督、映画『ちょっと思い出しただけ』を語る(2)

 女優の武田梨奈がパーソナリティーを務めるラジオ番組『武田梨奈のこだわりな時間』(ラジオ関西)。2月5日放送回では、前回に引き続き、映画監督で劇団ゴジゲン主宰の松居大悟がゲスト出演。松居が監督を務め、2月11日に公開される映画『ちょっと思い出しただけ』についてのトークを展開した。【動画】映画『ちょっと思い出しただけ』ロング予告編 池松壮亮と伊藤沙莉が主演する『ちょっと思い出しただけ』。彼ら2人を主演としたことについて、松居は次のように意図を説明する。「それこそ池松くんとクリープハイプの尾崎(世界観)くんとやっている、『自分の事ばかりで情けなくなるよ』(2013年公開)とか『私たちのハァハァ』(2015年公開)などがあったなかで、『今回はカメラマンとかも含めて、1回また原点回帰のメンバーでやりたいね』となったところで、池松くんに声をかけて。男女のラブストーリーとなったとき、池松くんの雰囲気とすごく対照的な、なんか太陽みたいな人がいいなと思ったときに、伊藤さんがいいなと」(松居) 武田も絶賛する池松と伊藤のコンビ。特に気になったのは、せりふのところだったという。「ふたりで歩いて会話するシーンや、⾞のなかのシーンもそうですが、 けっこう⻑回し(の撮影)で会話しているじゃないですか。あれってどこまでが、せりふなんですか? アドリブも多いんですか?」(武田) これに対して、「あれね、がっつり全部せりふだと思う。この映画は、ほぼアドリブがないです」と、答えた松居。舞台と映画の違いを交えて、撮影手法のこだわりを語る。「舞台だと『決めない』ことのほうが多くて、ここは解釈を決めずに、お客さんが入って、本番を重ねて変わっていくべきだよねと。決めないことを決めて、アドリブもわりとあってもよしとするんだけど。逆に映画だと、『決めて』『決め込んで』、決めていないように見えるのが好きというか。たぶんカメラの動きとかも全部あるので、決めるしかない。決めまくって、今まさに思いつきでいったように見せたら、なんかいいなって思って」(松居) そんな松居が、映画づくりに対してこだわっているのは、「想像力を制限させない」ことだという。「こだわっていることは、1個の感情にしないということかな……。どんなシーンでも、たとえば男女が仲よさそうにご飯を食べるシーンだとして、このふたりがご飯を食べて楽しいってだけにしない。それだけのシーンにせず、もしかしたらいつかこの時間が終わるのかなって思ったりする切なさがあったりだとか。映画館で映画を観るということは、 観る人の分だけ、その映画(への思いや解釈)があっていい気がするから。チャップリンがもともと好きなんですが、笑いながら泣けたりだとか、感情がごちゃごちゃしたりするのがすごい好きで、それはどんな芸術作品においても心掛けていること。楽しいなと思って観る人も、切ないなと思って観る人も、寂しいなと思って観る人もいていいので」(松居) さらに、松居は、2人の偉大な人物の言葉をあげながら、作品作りでは、簡単な道ではなく、常にチャレンジを心掛ける思いも語る。「この業界での大海原の進み方ということでいえば、僕は岡本太郎が好きなんですが、岡本太郎の本とかけっこう読んでいて、『迷ったときは困難なほうを選べ』という言葉が一番すごくしっくりきている。また、北野武さんの『どうせ死ぬんだから楽しもうぜじゃなくて、どうせ死んで楽になるんだから苦しもうぜ』という言葉があって、その2つの言葉が僕のなかではけっこう大きくて。だから、仕事がきついなとか、つらいなとか思っても、それを楽しめるし、『じゃあこの作品をやりますか、やりませんか』のときに、想像できそうだなとか、これを断るほうが自分にとって困難になる気がすると断ったりする。逆に、これをやるほうが困難になるとか、そういうのは自分のなかで(作品づくりの)指標にしているんです」(松居) 番組パーソナリティーの武田も、「私も、⾼校⽣のときからですが、『痛みなくして得るものはない』という⾔葉を常に⼼のなかで唱えています。(当時の経験から)痛みがあるから得るものがあるんだと、今も思っています」と自らの信条も述べつつ、その松居の思いに共感していた。※ラジオ関西『武田梨奈のこだわりな時間』2022年2月5日放送回より

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