贈与税の対象にならない贈与や贈与税非課税の特例を抑えておこう!(ファイナンシャルフィールド) - Yahoo!ニュース
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4コメント4件贈与税の対象にならない贈与や贈与税非課税の特例を抑えておこう!
別稿ではどのような人が納税対象になるのか、贈与税の計算方法、申告に必要な書類などについて説明しました。今回は贈与税がかからない、あるいは軽減されるケースについて見ていきます。 また、贈与税については現在見直しが進められているといわれています。今後どうなりそうかについても触れたいと思います。
贈与が成立する要件
そもそも、贈与は契約行為のひとつです。贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)の間で「あげます」「もらいます」という意思表示があってはじめて成立します。 子や孫の名義の通帳に入金するだけでは贈与は成立しません。「あげる」というのは贈与対象の財産の管理責任を完全に受贈者に移すことです。贈与するつもりで受贈者名義の口座に入金したけれど、無駄遣いしないように預金通帳と銀行印は贈与者が保管しているようなケースがありますが、これはいわゆる「名義預金」「借名預金」などといわれ、贈与が成立しているとはいえず、税務署も目を光らせています。 贈与を行う場合には、名目だけでなく実質的に渡すこと。もらった人が自由に使える状態にすることが重要です。贈与契約書を作成する場合でも、贈与者だけでなく受贈者の署名捺印をしておく必要があります。 受贈者が未成年者の場合には、その親権者がその預金通帳などを預かる場合もあるでしょう。その場合でも受贈者が成人したときには管理責任を移すことを前提に考えておくべきです。 「無駄遣いしてほしくない」「まとまったお金を渡してしまうと教育上良くない」などと考える場合には、贈与すべきではないといえるのではないでしょうか。
贈与税の対象にならないもの
そもそも、扶養者が被扶養者の生活費や教育費など「通常必要と認められるもの」を負担する場合は、贈与税の課税対象となりません。 (参照)国税庁「「扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A」について(情報)」(※1) この中で「扶養義務者」については「配偶者」「直系血族及び兄弟姉妹」「家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族」「三親等内の親族で生計を一にする者」と定義されています。所得税や健康保険などで扱う「扶養親族」よりも広い範囲が認められているといえます。「生活費」については「その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用」とされていて、治療費や養育費、その他これらに準ずるものも含むとされています。 「教育費」についても「被扶養者(子や孫)の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等をいい、義務教育費に限られません」とされています。これらについては、贈与として扱われませんが、渡し方には注意が必要です。 孫の教育費に充てることを目的としていたとしても、祖父が孫の父(祖父の子)に金銭を渡した場合、その金銭が間違いなく教育費等「通常必要は資金」に充当されたかどうかを確認できるようにしておく必要があります。 これらの用途に使う資金を渡す場合には「必要なときに」「直接」「必要な分だけ」渡すようにしておくとよいでしょう。例えば、孫の入学金を祖父が拠出することは「贈与には当たらない」と考えられます。その際には、祖父が自身の口座から直接学校へ入学金の納付手続きをとれば、その資金の使途は明らかで、仮に後で税務署から問い合わせがあっても対応できます。
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