ストーカーや盗難被害も…相次ぐAirTagの悪用にApple社が対策強化「お客様の安全が最も重要」
去年4月にApple社が発売した、紛失防止のためのタグ「AirTag」。鍵や財布などの持ち物につけておくと、携帯電話を使ってその位置を追跡できる。しかし、この機能が悪用され、海外ではストーカーや盗難に使われるケースが相次いでいる。【映像】Apple社が講じる“新たな対策”去年12月30日のニューヨークタイムズでは、女性が全く知らないAirTagに4時間にわたって位置情報を追跡されていたストーカー被害を報じている。またカナダでは、盗むことを目的に窃盗犯がAirTagを車両に忍ばせたとみられるケースが5件あったとして、調べを進めている。
ITジャーナリスト/成蹊大学客員教授・高橋暁子氏
ITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子氏は、こうした問題の背景について「(市場に)出た当初から、(一部のユーザーの間で)子どもの見守りや浮気防止などに使えるのではないかということで色々と試されていたのが背景にある。実際に自分の車の盗難防止用に使っている方もいたが、それは逆に言えばストーカーや他人の車を盗難するために悪用することもできる」と明かす。幅わずか3cmほどの小ささで、iPhoneの「探す」機能と同期して使うことができるAirTag。Appleでは、見知らぬAirTagが長時間近くにある場合、自分のiPhoneに通知が来るという対策が以前からなされていた。しかし昨今の悪用被害を受けて、新たな対策も講じていると高橋氏は話す。「本来の持ち主から3日間離れた状態で(AirTagが)動いている場合(アラートが)鳴ることにしていたが、3日間だと長すぎるので、8時間から24時間内のランダムな時間で音が鳴るようにして、ストーカーなどをされていることに気づけるようにした。他にも、(アラートが出ない)Android向けにアプリをリリースした。それを(スマートフォンに)入れていると、Androidユーザーの方はiPhoneユーザーと同じように気づくことができる」
Apple店舗
他にも、Appleは今月25日、Appleデバイスを使用するうえでの「安全ガイド」を改訂。新たな情報として、見知らぬAirTagを発見したときやアラートが鳴ったときにユーザーが何をすべきかを追加した。「Appleはお客様の安全を最も重要に考えており、AirTagについてもプライバシーとセキュリティに取り組んでいます。AirTagは業界初の対策として、未知のAirTagが一緒にある場合はそれをユーザーに通知したり、不要な追跡に使われないための一連の事前対策と共に設計されており、悪意の目的で使用することを阻止します」(Appleのコメント)(『ABEMAヒルズ』より)