沿って, Uav-jp 25/01/2023

最新の「チェキ」は、インスタントカメラとプリンターの“いいとこ取り”へと進化した:製品レヴュー

否定派の論に反して、カメラ用フィルムはなかなか絶滅しようとしない。コダックは、同社のフィルムで最も人気の高かった製品のひとつである「EKTACHROME」を復活させたし、富士フイルムも好評だった黒白フィルムの復刻版「ネオパン100 ACROSII」を販売すると発表した。

しかし、「現像された写真」に飢えているのはプロや芸術家たちだけではない。インスタントカメラやプリンターもまた、次から次へと誕生しているのだ。

そこで富士フイルムは、「instax mini LiPlay(リプレイ)」でこの競争に打って出た。歴代の「instax<チェキ>」シリーズと同様に、クレジットカード大のインスタントフィルムが使えるポケットサイズのインスタントカメラだ。

レンズはガラス製で、ミニプリンターは単体でも機能する。アプリを使えば、スマートフォンで撮影した写真もプリントできるのだ。QRコードで写真に音声を埋め込める機能が訴求されているが、これはそこまですごいとは言えないだろう。この点については後述する。

最新の「チェキ」は、インスタントカメラとプリンターの“いいとこ取り”へと進化した:製品レヴュー

ハイブリッドゆえのお得さ

LiPlayはハイブリッドインスタントカメラだ。大半のinstax(チェキ)とは違い、撮影した写真を液晶モニターで確認し、フィルムに“プリント”するかどうかを決められる。誰かが目を閉じてしまった写真をプリントして、フィルムを無駄にすることはもうない。この点だけでも、撮ったらすぐにプリントされる「“チェキ”instax mini 90」といったモデルに比べて、長期的にかなりお得になる。

とはいえ、液晶モニターの機能で最も気に入ったのは、写真を確認できることより、プリント中に表示されるアニメーションだ。カメラ本体から写真が出てくるのとほぼ同じ速さで、モニターに映された画像が印刷口の方向にスクロールされて消えていく。まるでデジタルから現実世界に移行するように感じられて楽しい。

LiPlayでプリントした写真の画質は驚くほど鮮明で、実際にinstax mini 90でプリントした画質よりも優れていたように感じた。ただし、LiPlayでは、ほかのinstaxに搭載されている追加機能のうち、欠けているものがいくつかある。例えば、二重露光モードや接写モードはない。

幸いにも、露出補正を設定する方法はある。instaxの写真は、黒つぶれやハイライト部分の白飛びが起きやすい。このため撮影シーンに応じて、露出補正を使って暗い部分を明るくしたり、明るい部分を暗くしたりと調整することになる。

LiPlayのボディは丸みを帯びていて手になじみやすく、ポケットにちょうど収まる大きさだ。カラーは、エレガントブラックとストーンホワイト、ブラッシュゴールドの3種類ある。

デザインはすっきりとしてシンプルだ。側面には電源ボタンがあり、その横にはフレームやフィルターを選ぶ際に使うショートカットボタンが3つ並んでいる。写真に重ねてプリントできるフレームは、ハートから鹿の角まで数十種類だ。

音も記録できる(が、面倒だ)

instax mini LiPlayは録音もできる。そう聞くとクールに思えるかもしれない。ハリー・ポッターに出てくるような魔法の写真が思い浮かぶ。しかし残念ながら、オーディオを活用するには、スマートフォンのアプリをダウンロードしたり、QRコードをスキャンしたりしなければならない。