沿って, Uav-jp 28/03/2022

ディスプレイオーディオ付きのスズキ新型「アルト」に乗ってみたら、安全機能・便利機能の充実に驚いた - Car Watch

スマホを使いこなしている人にはとっても便利なディスプレイオーディオ

Android AutoでAndroidスマートフォンを接続している状態

 今回の新型アルトに搭載されたディスプレイオーディオは普及価格帯(100万円前後~200万円前後)の車両で採用が進んでいるものだ。

 自動車のセンターコンソールには、長い間いわゆる「カーナビゲーション」(以下カーナビ)が鎮座しており、海外に比べて高いアタッチレート(購入時に標準装備、ないしはメーカー/ディーラーオプションでの装着される率のこと)が高いのが日本市場の特色となってきた。それほど日本の自動車シーンで必要不可欠の機器と考えられてきたのがカーナビだったと言っても過言ではないだろう。そうした市場状況の中で最近登場し、普及段階を迎えているのがディスプレイオーディオだ。

 ディスプレイオーディオと言うと、カーナビの最も重要な機能である「カーナビよりも機能が少ない廉価版のカーナビ」という、ややネガティブな認識を持たれている方も少なくないのではないだろうか。確かに、ナビゲーション機能を省略することで、ディスプレイオーディオはカーナビよりも安価に製造することができ、価格もカーナビに比べて安価であるのは、アフターマーケット向け製品のカーナビとディスプレイオーディオを比較すれば明らかでそれは間違ってはいない。

ディスプレイオーディオ付きのスズキ新型「アルト」に乗ってみたら、安全機能・便利機能の充実に驚いた - Car Watch

 しかし、ディスプレイオーディオの方が機能は少ないのかと言えば、それは一概にそうとは言えない。なぜかと言えば、ディスプレイオーディオは、スマートフォン(iPhoneやAndroidスマホ)とセットで利用してカーナビの機能やオーディオ再生機能を実現する(技術的にはスマホの画面と音をディスプレイに表示している形になる)。このため、スマホではアプリストア(Apps Store、Google Play Store)で公開されているアプリで機能を拡張できるのと同じように、ディスプレイオーディオもアプリを利用して機能を拡張できる、それが固定機能のカーナビとの最大の違いになる。ただし、スマホのアプリのすべてがディスプレイオーディオで利用できる訳ではなく、ディスプレイオーディオに対応した一部アプリだけが利用できる。

従来型のカーナビとディスプレイオーディオとの機能比較

機能カーナビディスプレイオーディオ
ナビゲーション機能の実現標準搭載スマホを接続する必要がある
ナビゲーション機能製品によるがきめ細かな指示などが魅力スマホのアプリに依存(Google マップやYahoo!カーナビなど)
地図データローカルに格納、能動的なアップデート(多くの場合有料)が必要クラウドに格納、日々アップデート
音声検索搭載しているが、コマンド的な使い方SiriやGoogleアシスタントなどより自然な音声認識
Appストアなどで機能拡張×
音楽ファイル内蔵ストレージ/USB/iPhone/Bluetoothクラウド(ローカルキャッシュ可能)
動画再生内蔵ストレージ/USB/iPhone動画の再生はスマホの画面でのみ可能
スマホ/PCのスケジュール確認△(スマホにツールを入れると可能な場合がある)クラウド
スマホのスケジュールから目的地設定△(スマホにツールを入れると可能な場合がある)可能

 もう1つの大きな違いは、スマホは常時インターネット回線に接続されており、データはローカルのストレージに保存されているものだけでなく、クラウドと呼ばれるインターネット側のストレージに保存されているデータも活用できる。その代表例が地図データで、一般的なカーナビではインターネットに常時接続されていないので、地図のデータはローカルのストレージにあるデータを参照するだけになる。最近では数か月に1度という高い頻度で地図データが更新されるカーナビも一般的になっていて、ユーザーの都合(面倒だというのが最大の理由)で、更新は1年に1度、ないしは数年に1度というのが現実だ。そうすると、開通してすぐの道路のデータが反映されておらず、新しい高速道路を走ると、道なき道を走ることになるというのはよくある光景だろう。

Apple CarPlayでGoogle マップを利用してナビゲーションしている様子。Android AutoはほぼGoogle マップぐらいしか使えない(あとはNAVITIMEと外国用のマップソフト)が、Apple CarPlayではGoogle マップのほか、Yahoo!カーナビやApple純正のマップも利用可能。地図ソフトを選べるのもディスプレイオーディオの魅力Apple CarPlayでYahoo!カーナビを使っているところ。スマホの地図アプリの地図データは回線経由でダウンロード(事前にキャッシュとしてダウンロードしておくことも可能)するため、地図の更新などは気にしなくていい

 ディスプレイオーディオがナビゲーションアプリとして使うGoogle マップなどの地図データは、ローカルのストレージにキャッシュ(一時データ)として保存することもできるが、基本的にはクラウドに置かれており、必要に応じてインターネット回線を経由してアクセスする仕組みになっている。このため、地図データは日々更新されており、昨日開通したばかりの高速道路のデータも翌日にはもう反映されている、なんてことも。そうした「アップトゥーデート」なこともディスプレイオーディオのメリットと言えるだろう。

 このように、ディスプレイオーディオ+スマホにもメリットがあり、その一方デメリットもある。例えばApple CarPlay、Android Autoでは車両側のディスプレイで動画再生ができないことや、スマホをつながないと単なるディスプレイであること、ナビの機能が日本に特化していないことなどがそれだ。そうしたメリット・デメリットをよく検討して従来のカーナビがいいのか、それともディスプレイオーディオがいいのか選びたいところだ。

 なお、今回紹介する新型アルトの場合、ディスプレイオーディオはメーカーオプションで、従来型のカーナビの方がいいと思えば、ディーラーオプションとして選択することが可能。もちろんオーディオレスという形でアフターマーケットのカーナビを取り付けることも可能だ。